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こんにちは。ボーカル講師の荒川です。
突然ですが皆さんは、自分の声を聴いたことがありますか?
そんなのいつも聴いてるよ、と思われるだろうとは思いつつ、こう書き出してみましたが。
というのは、私は歌を勉強しようと思うまで、自分の声というものを聴いたことがなかったのです。ジャズボーカルを勉強し始めた時にレッスン内容や自分の歌を録音することを勧められ、初めてそれを聴いてものすごい衝撃を受けました。決していい意味ではなく、”こんなに歌えていないのか…”とか、”なんで私こんな声なんだろう?すっごい違和感”などのネガティブな感想です(笑)
なぜ、このようなことが起こるのでしょうか。
実は自分自身が聴く自分の声というのは、自分自身が鳴りながら同時に聴いているもので、自分だけにしか聴こえない音色なのです。
声を出すには声帯という器官が重要な役割を果たしていますが、それが身体のさまざまな部分の共鳴によって増幅し、空気を伝わる『気導音』という形で他の人の耳に届きます。それに対し、自分自身にはその声帯からの振動が頭蓋骨を経由し直接聴覚神経に伝わる『骨導音』というものも同時に届いています。
歌ったり喋ったりしたものを録音すると気導音のみが入ります。これが自分以外の全員が聴いている自分の声、ということになるのです。
最近ではスマートフォンなどで手軽に録音や動画撮影もできますし、感覚的に分かっている方も多いのかもしれません。また、感じ方には個人差があるものですので、意外とギャップはないなあと思う方もいらっしゃることでしょう。ですが、少なくとも私は今でも、録音した自分の歌を聴いていますし、それが思っていたのと違っていることも多々あります(笑)
歌は筋トレと同じように、個人差はありつつもピッチや声量、音域など訓練すれば必ず向上します。しかしそれにはある程度の時間が必要です。
自分の歌を録音して聞き返すのは、そういった地道な訓練とは別のベクトルの、比較的すぐに試せることのひとつではないかと個人的には思います。もしまだ自分の声を客観的に聴いたことがないかも??という方がいらっしゃいましたら、試しに色々な喋り方や歌い方で録音したものを聴いてみてはいかがでしょうか?
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