幕フィル的楽器紹介《ファゴット編》

トランペット編からだいぶ間が開いてしまいました(汗)。
久々の『幕フィル的 楽器紹介』、
今回は《ファゴット編》です。

全体の構造としては、吹き口から管が下へ降りて、
一番下の銀色部分の中に金属のU字管があって、
そこで折り返して上まで抜けて行きます。
管の材質は主にメイプル。
これ、弦楽器の裏板と同じなんですね。
ただファゴットの場合、息の水分の問題で
乾燥はあまり気にならず、むしろ「腐る」のが心配なようです。
普段の練習中の画像によく後姿が写ってますが、
これを肩にかけたストラップに吊るして、
斜めに構えて演奏します。

こんな感じ。
オーケストラで普段使われる木管楽器の中では
唯一の低音楽器で、楽譜はヘ音記号かテナー譜です。
実は当団のNさんは、もともと吹奏楽のトロンボーン吹きで、
所属団体に木管低音楽器がいなくて転向したそうです。
その時、バスクラリネットや低音のサックスではなくファゴットを選んだ理由が
「ヘ音記号で実音の楽器」だから、とか。
言われてみれば、確かに他は移調楽器でト音記号の譜面ですね。
(移調楽器についてはトランペット編を参照)
そんなファゴットは、吹奏楽では
同じ音域の金管楽器やサックスに埋もれがち(悲)。
でもオーケストラだと「メロディックなフレーズが多い」
と感じるそうです。
最近演奏した曲だとチャイ4の2楽章(1stソロ)とか、
大学祝典序曲の中盤(第3の学生歌・キツネ狩り)では
2本がハモって動く旋律がありました。
時には悲しげな、時には素朴で楽しげな音で活躍しています。
伴奏でも、渋い低音が聴こえてきますよ。
さて、ファゴットの音を出す原理は
「ダブルリード」といって、
アシの薄い板2枚を合わせた物に息を吹き込みます。
実物がこちら。(横のは大きさ比較のシャープペン)

けっこう大きい。そして、ケース2つに10本も。
プロは自分で作るらしいのですが、
さすがに完成品を買ってくるそうです。
それも月に2本ペースと聞きました。
常にいいリードを、と思ったら
それぐらい必要なんでしょう。大変だなぁ★
そのリードは、この金属管の先に差します。

この金属管の名前を「ボーカル(bocal)」といいます。
歌う人(vocal)ではありません(^^;)。
以前、「エキストラさんが『ボーカル忘れた』って帰っちゃった」
と聞いたことがありますが、これを知らないと
「何を忘れたって???」と思いますよね。
このボーカルも大事なパーツで、
管の内径の微妙な変化などで音色に影響するそうです。
だから、これも何本か持ってたりするようです。
ところで、どうもプレイヤ-人口が少ないこの楽器。
やっぱり個人で買うには大変だからでしょうか。
だって、中級者向けのヴァイオリンと同じか、
それ以上するんですよ。
某Y社のカスタム(上級モデル)なんて、車が買える☆
まあ、探せばもう少し手頃なのもあるようですが。
しかし、団員アンケートでは
「やってみたい楽器」に挙げた人がいます(実は私も)。
あの音色と、温かみのある木の魅力でしょうか。
担当楽器と別にファゴット持ってる人もいるし。
えー、楽器は持ってないけどファゴット吹ける方、
今なら幕フィルでは楽器を借りられます。
管トレーナーがファゴット奏者で、
指使いなどの技も教えてくれるそうです。
(2/11 「管楽器セクション練習」参照)
まだ席は空いてますので、ぜひおいでください♪
もちろん楽器持ちも大歓迎!
あ、つい団員募集になってしまった(笑)。
ではそろそろ、楽器を分解して片付けて・・・

また次回~♪  (びおら~1号)

「幕フィル的楽器紹介《ファゴット編》」への2件のフィードバック

  1. ファゴットにもリードが必要なんですね。
    知らなかったっす。
    勉強になりました。
    ※最近、BSのクラシック倶楽部を毎回見てます。

  2. goodさん、はじめまして。
    もしかして、クラリネットやサックスなら
    ご存知ですか? (これらはシングルリード)
    私もいろいろ勉強しながら書いてます(^^;)。
    少しでも興味を持ってもらえたら嬉しいです。

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