今回は、移調楽器のお話です。
移調楽器って何?という方もいると思います。
音楽の授業で習ったり、ピアノをやっていて読んでいた楽譜は、
書いてある音と実際に出る音が同じですね。
「当たり前じゃん」と思うかもしれませんが、オーケストラの楽譜をピアノで弾くと、
違う調になってしまう楽器がいくつかあります。
おもにトランペット、ホルン、クラリネットですね。
なぜかというと、楽器の成り立ちに理由があります。
過去の楽器紹介シリーズでも書いてますが、
トランペットやホルンは、昔はバルブがなく管を巻いただけの楽器で、出せる音が限られるため、
曲に合わせた調の楽器を持ち替えて(管を差し替えて)演奏していました。
そして楽譜は、その管の基準の音を「ド」として書かれています。
なので古典の曲だと、inEとかinAとかいろいろ出てきます。
現代でも、この書き方をする楽器は多いですね。
ちょうどいい例があるので、見てましょう。
それは、9月まで放送されていた『あまちゃん』のオープニングテーマです!
番組は見てなくても、一度は聴いたことぐらいあるのではないでしょうか。
この曲の最初は、「ドレミファソラシド」と音階を上がっています。
ハ長調なので、ピアノの楽譜ならシャープもフラットもつきません。
しか~し!移調楽器の楽譜ではこうなります。
じぇじぇじぇ?! シャープが2つ!でも出る音はハ長調の音階なんです。
この楽譜はinB。あ、普通はB♭と書かれますね(^^;)
この場合、B♭=変ロ長調の音階が「どれみ・・・」として楽譜に書かれます。
(注・ややこしいので、ピアノと同じ実音を「ドレミ」とカタカナで、移調譜の表記をひらがなにします)
そのままだと「ど」と「ふぁ」が実音でシとミのフラットになるので、シャープ#で半音上げます。
もうひとつ例をあげましょう。
皆さん、小中学校でリコーダーを練習してませんか?
ソプラノリコーダーとアルトリコーダーは、基本的に指使いが同じです。
で、穴を全部ふさいだ最低音が、ソプラノはC、アルトはFですね。
これを、最低音を「ど」として楽譜にするなら、アルトはF管、ということになります!
そして、ソプラノではファ(F)の指のところで、アルトではシのフラット(B♭)が出る。
そうすると、H(実音のシ)を吹くにはソプラノのファシャープの指使いになりますね。
だから、inFでアルトの楽譜を書いてハ長調にするには、ファにシャープをつける、というわけです。
オケに戻ると、クラリネットがこの要領で演奏してます。
主にA管とB♭管(たまにE♭管)を使い分けますが、
楽譜の「どれみ」に指使いが対応しているそうです。
ただ、持ち替えてすぐは、さっきまで出ていた音とずれるのがちょっと変な感じだそうですが・・・。
さて、これが金管楽器だと通用しません。
同じ指使いでいくつもの倍音が出るため、
楽譜の音符が実音で何の音になるのか、把握して音を出す必要があります。
吹奏楽なら、トランペットはinB♭、ホルンはinFで書かれるのでずっと同じ読み方で済みますが、
前述のとおり、オケではいろいろな調で書かれます。
さあどうしているのだろう?と質問したところ、
ホルンのD氏から詳し~い説明をいただきました。
ただ・・・、私の頭ではなにがなにやら(゜゜;)
要約できないので、そのまま載せちゃいます☆
(一部文字化けしてたので、勝手に記号に置き換えました)
ではどうぞ!
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ご質問にあった移調読みについてですが、人それぞれの方法で読み変えているのでしょうが、私の方法を…。
まず、ホルンの基本が皆さんにとって慣れないinFです。これを基準としてinE♭は一音下げて読みます。
同様に?inGは一音上げて読む。(まだまだこんなのは序の口ですよ、ついて来て♪)
次にinDは五線譜を一段下げて読む。逆にinAは五線譜を一段上げて読む。
さぁ~つづいてはinC、これは普通にドはC、レはD、ミはEと考えて。
inB♭はもっと簡単!ホルンの多くがF管とB♭管がセットになったダブルホルンが主流なので、なんとなく読み変えが身についている。そう、なんとなく…。
次にinHはinB♭の半音上、もしくはinCの半音下。
こんな感じです、しかし色々な音階が出て来るのは古典などが中心でこの頃はピストンなどがない時代で(ナチュラルホルン)譜面も非常に簡単なのでなんとかなっているようです。
解りました?慣れですよ。慣れ♪
長文で失礼しました!役に立ちますかねぇ!?
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・・・だそうです。ホルン吹きってすごい。
ちなみに某トランペット吹きさんの場合、
「(実音の音名を)楽譜に書く」 だそうです。わかりやすい。
以上、移調楽器について、でした!
(びおら~1号)