お久しぶりのお目見えです。
『幕フィル的 楽器紹介』、今回は
ロビーコンサートや外部イベントで大活躍!
我らが営業部隊(?)、トロンボーンです。
画像は6月13日の自主練習のもの。
まず楽器の構造なんですが、非常にシンプルです。
吹き口から1本の管が、前に伸びてUターン、
後ろでまた折り返してベルまで、という作り。
その前方部分のスライドを伸び縮みさせて音を変えます。
このスライド、とっても滑らかに動きますが、
うっかり手を離すと 落ちます★
もし凹んだり歪んだりしたら使い物にならないので、
落としたり ぶつけたりしたら事件です・・・。
「あれ?後ろのくるくる巻いた管は?」
と思った人もいるかもしれません。
あれは、主に低音域を演奏しやすくするために
バルブ(ロータリー)を操作して使う「F管」です。
手元の辺りにレバーがあるのがわかりますか?
それを左手で操作して、B♭管→F管にして、
遠いポジションの音を近くで吹けます。
管の巻き方は、メーカーやモデルによって変わります。
こういう楽器を「テナーバストロンボーン」と言います。
最近はこれが主流になってますね。
さらに、バストロンボーンの場合。
ロータリーが2つ付いて、管ももう1巻き。
低音域が広がりますが、その分重くなります。
ではスライドでどうやって音程を作るかというと、
7つのポジションと、唇の加減による倍音(トランペット編参照)の
組み合わせで音程を作ります。
ポジションは、目印とか無いので感覚で!
そのへんは弦楽器と似ています。
でもそのおかげで、「グリッサンド」という得意ワザがあるんですね(^^)。
この楽器、実は歴史が古く、15世紀頃から
教会音楽などで合唱と一緒に使われたりしたそうです。
というのも、当時の金管楽器では唯一
自由に音程を演奏できる楽器だったから。
トランペットもホルンも、まだバルブが無くて
倍音しか出せなかったんですね。
でもオケで活躍するのはもっと後。
交響曲ではベートーヴェンの第5番「運命」で
初めて使われて、それから定着したようです。
なので、古典をやると出番がない事も。
この間も、『エグモント』はトロンボーンは降り番でした★
そして皆さん声をそろえて、降り番は「寂しいよー!」と・・・。
さらに、出番はあっても休みが多く、
「数えるのが大変で、眠くなる」とか。
実はけっこう、忍耐の楽器だったようです。
さてさて、幕フィルメンバーの場合。
トロンボーンを始めたきっかけは、小中学校で吹奏楽部に入った時、
「君、背が高い(=腕が長い)からトロンボーンね!」
と決められた、という声が複数★
た、確かに小柄な子だと遠くに手が届きませんけど(汗)。
それか、「トランペット希望だったけど、満席で・・・」
とか、「仕方なく」感が漂います☆
例外・A氏の場合でも、
「ユーフォを吹いてたんだけど、オケで吹きたくなって」
と転向したそうで、最初の楽器は「決められた」模様。
中低音は多いですね、このパターン(T_T)。
とはいえ、やれば楽しさもあるわけで。
トロンボーンの場合、オケでの醍醐味は
「美しいハーモニーやコラール」。
スライドのおかげで、音程の微調整もできますからね♪
その延長なのか、はたまた「全員降り番」があるせいか、
幕フィル・トロンボ-ンパートは
アンサンブルをよくやってます。
A氏が持ってきた 楽譜入りコンテナ。
何曲分も入ったケースがたくさん!
よくこれだけ集めたものです(自分で編曲、も含む)。
その中の、スコアがこんな感じ。
上の2パートは「テナー譜表」で書かれてます。
記号の真ん中(五線の上から2本目)が C になります。
チェロやファゴットでも時々使いますね。
・・・そういえば、「誰か結婚する人がいれば使える」と、
ワ-グナーの結婚行進曲を合わせてましたねぇ。
結婚式にトロンボーン四重奏の生演奏、いかがですか?
教会ならなお良し!らしいですよ♪
ではこの辺で。また次回~♪(びおら~1号)
カテゴリー別アーカイブ: 楽器紹介
幕フィル的楽器紹介《コントラバス編》
お久しぶりの『幕フィル的 楽器紹介』です。
なかなかまとめ切れず、こんなに間が開いて(^^;
まぁ、気長におつきあい下さい。
さて、今回は《コントラバス編》です。
見ての通り、大きいです。人の身長以上。
この大きなボディから、
オーケストラの最低音域を響かせます。
この楽器は、いろんなジャンルで使われてます。
そのたびに呼び名が変わって、
吹奏楽だと「弦バス」「ストリングベース」。
ジャズとかだと「ウッドベース」なんて呼ばれたりしてますね。
そういう時って、けっこう
ピチカート(指で弦をはじく)が多かったりします。
吹奏楽だと、ポップス系の曲では
エレキベースに持ち替えちゃってたりするし★
でも、オーケストラでは圧倒的に
弓で弾くことが多いですね。
ただし、手元にご注目。(上の画像の手元を拡大しました)
手のひらが上を向く持ち方なんですね。
こう持つ弓は「ジャーマン式」と言います。
ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロと同じ持ち方の「フレンチ式」もありますが、
日本ではジャーマン式が多いですね。
ジャーマンの方が、力強い音になるそうです。
違う持ち方の理由は、もしかして太い弦のせいかも?
いえ、単なる私の想像ですけどね。
なにしろ、コントラバスの弦って太くて張力が強いんです。
で、木のペグでは支えられないので、
金属製のギア構造になってます。
これは4弦ですが、5弦の楽器もあります。
それは、主に古典の曲でチェロと同じ譜面を弾く時、
チェロの最低音と同じC(ド)まで弾くためです。
(4弦なら、オクターブ上げて弾きます)
ところで、コントラバスを始めるきっかけって
「やりたい!」と希望した、わけじゃないようで・・・。
特に吹奏楽で始めた場合、
他の楽器が埋まってたとか、やる人がいなくて
「誰か弦バスやらない?」で、なんとなく決まったとか、
わりと受身みたいです。
実は私も中学の時、そのパターンで弦バス弾いてました。
4ヶ月ぐらいで他の楽器に移ったけど(- -;)
そこで続けた人、というかB氏の場合、
「クラシックの原曲を演奏してみたい」と
オーケストラにたどり着いたとか。
弦バスと違う 弦楽器らしさに戸惑いつつ、
やっぱり「きちんとはまると気持ちいい」んですね。
「モーツァルトやベートーヴェンが楽しい」のは、
低音で土台を支える役割がはっきりしてるから、
だったりして。
そういえば、今回(33回定期)の曲の中で
『新世界』の2楽章に見せ場がありますね!
中間部の、長いピチカート。
ベースであり、メロディのようでもある、
非常にオイシイ所です。頑張って~!
ちなみにコントラバスの場合、
楽器は団の所有のところが多いですね、
よその団体の募集を見ても。
個人持ちにするには、価格よりも
保管場所が問題になりそう・・・。
最後に、ネタ系画像2連発をどうぞ(笑)。
まずは、ミュートの大きさ比べ。
小さいほうはヴァイオリンのミュートです。
楽器が大きいと、ミュートもこんなに大きくなります。
そして、足長コマ星人。
(弦楽器・共通編を参照)
エキストラさんの、5弦の楽器のを
撮らせてもらいました。
4弦のより、横にも少し大きいはず。
(余談)
GWで帰省した弟から、
↑「それ、ジャミラだろ?」と突っ込まれました。
なんとか星人じゃなかった・・・★
で、では、コントラバス編は以上です。
次回をお楽しみに♪
(びおら~1号)
バイオリン製作講座
こんにちは、びおら~1号です。
連休の真ん中、21日は練習は休みでした。
いい機会なので・・・
お茶の水の楽器店「クロサワバイオリン」で、
バイオリン製作の講座に参加してきました。v(^^)
(普段は「ヴァイオリン」表記ですが、今回は「バイオリン」で統一します)
幕フィルの話ではないけど、
楽器紹介の番外編みたいなノリでお届けします。
なんでも、お茶の水店・常駐リペアマンのバイオリン職人
トマゾ・プンテッリ氏がイタリアに帰国するので、
その前にバイオリンを一本製作しつつ、
バイオリンについて学べる講座を開くそうです。
店頭にも案内が出てました。
光っちゃってて見づらいですね(汗)。
本当は全5回の無料講座なんですが、
1回目は行けませんでした。
この日は第2回になります。
15分ぐらい早く着いたら、まだ準備中でした。
店舗2階のチェロコーナーに、
スクリーンを設置して、イスを並べての開講です。
こちらがトマゾ氏です。
彼の話は、ひたすら英語・・・★
店員さんが通訳してくれてました。
前半は、バイオリン族のそもそもの起源と、
弓が現在の形になるまでの歴史。
いろんな図や写真を示して説明していきます。
ここに映ってるのは、昔の色々な弦楽器です。
8世紀から10世紀頃、遊牧民が羊を呼び集めるために
箱に弦を1本張ったものに、狩りの弓を使っていた、とか。
17世紀頃に音楽用の弓が出てきた、とか。
普通の本には、ここまで載ってないですよ~♪
もちろん、その後バロックの弓から
現代の形になるまで、と続きます。
そして、ちょっとコーヒーブレイク。
にしても、製作中のパーツが乗ったテーブルに・・・。
「万が一こぼしたら大変なことに(汗)」と、
内心思った私は小心者?
その間に、製作中のものをじっくり見られました。
最初の写真にパーツが揃ってますが、
これは、横板の型をはずす前の状態です。
薄い板を型に合わせて曲げて、この形になるんですね。
4つの角が内側から補強され、
上下の中央にもブロックが付いています。
表板と裏板は、削り途中。
けっこう厚くて、削り跡も見えます。
持ってみたら意外に重くてびっくり!
楽器の軽さを考えると、まだまだ削るんだなあ・・・。
さて後半。
実際の製作工程を、写真で説明していきます。
その中から、スクロール(先端の渦巻き部分)を紹介します。
ネックの形に切ったあと、印をつけて
少しずつ削るんだそうです。
ここが職人の腕の見せ所と、どこかで聞いたような。
渦巻きを彫りあがったのがこれ。
その他、表板と裏板を切るところや、
角の補強部分をアップで解説、などなど。
ここで、トマゾ氏がこんなことを言ってました。
「日本製のノコギリが一番だよ!
ストラディバリの時代に それが無かったのは残念だね」
(※注・英語から訳されたものを、多少アレンジしてます)
こんなところでも、日本製品は評価されてます。
でも、その時代って日本は鎖国の江戸時代・・・。
その頃にバイオリン族がほぼ完成したわけで、
歴史ってすごいなあ、と思います。
講座終了後、自分の楽器を点検してもらいました。
見た目わずかに「?」な部分がありましたが、
「Don’t worry, no problem.」と言って、
どういう状態か説明してくれました。
(もちろん通訳つきです)
他の部分にちょっと手を入れてもらって、
あとは問題ないそうです。安心しました。
これでこの日は終了。
他に10数人が参加してたんですが、
私以外は全員 男性でした。
中には直接英語で質問してた人も☆
まあ、なかなかない機会ですからね。
また行きたいな・・・と思ったけど、
次回は 午後が須藤先生の弦分奏の日~(T▽T)。
その次は、本番1週間前★
次に行けるのは最終回かも・・・。
完成した楽器でのLive、聴きたいです。
幕フィル的楽器紹介《ファゴット編》
トランペット編からだいぶ間が開いてしまいました(汗)。
久々の『幕フィル的 楽器紹介』、
今回は《ファゴット編》です。
全体の構造としては、吹き口から管が下へ降りて、
一番下の銀色部分の中に金属のU字管があって、
そこで折り返して上まで抜けて行きます。
管の材質は主にメイプル。
これ、弦楽器の裏板と同じなんですね。
ただファゴットの場合、息の水分の問題で
乾燥はあまり気にならず、むしろ「腐る」のが心配なようです。
普段の練習中の画像によく後姿が写ってますが、
これを肩にかけたストラップに吊るして、
斜めに構えて演奏します。
こんな感じ。
オーケストラで普段使われる木管楽器の中では
唯一の低音楽器で、楽譜はヘ音記号かテナー譜です。
実は当団のNさんは、もともと吹奏楽のトロンボーン吹きで、
所属団体に木管低音楽器がいなくて転向したそうです。
その時、バスクラリネットや低音のサックスではなくファゴットを選んだ理由が
「ヘ音記号で実音の楽器」だから、とか。
言われてみれば、確かに他は移調楽器でト音記号の譜面ですね。
(移調楽器についてはトランペット編を参照)
そんなファゴットは、吹奏楽では
同じ音域の金管楽器やサックスに埋もれがち(悲)。
でもオーケストラだと「メロディックなフレーズが多い」
と感じるそうです。
最近演奏した曲だとチャイ4の2楽章(1stソロ)とか、
大学祝典序曲の中盤(第3の学生歌・キツネ狩り)では
2本がハモって動く旋律がありました。
時には悲しげな、時には素朴で楽しげな音で活躍しています。
伴奏でも、渋い低音が聴こえてきますよ。
さて、ファゴットの音を出す原理は
「ダブルリード」といって、
アシの薄い板2枚を合わせた物に息を吹き込みます。
実物がこちら。(横のは大きさ比較のシャープペン)
けっこう大きい。そして、ケース2つに10本も。
プロは自分で作るらしいのですが、
さすがに完成品を買ってくるそうです。
それも月に2本ペースと聞きました。
常にいいリードを、と思ったら
それぐらい必要なんでしょう。大変だなぁ★
そのリードは、この金属管の先に差します。
この金属管の名前を「ボーカル(bocal)」といいます。
歌う人(vocal)ではありません(^^;)。
以前、「エキストラさんが『ボーカル忘れた』って帰っちゃった」
と聞いたことがありますが、これを知らないと
「何を忘れたって???」と思いますよね。
このボーカルも大事なパーツで、
管の内径の微妙な変化などで音色に影響するそうです。
だから、これも何本か持ってたりするようです。
ところで、どうもプレイヤ-人口が少ないこの楽器。
やっぱり個人で買うには大変だからでしょうか。
だって、中級者向けのヴァイオリンと同じか、
それ以上するんですよ。
某Y社のカスタム(上級モデル)なんて、車が買える☆
まあ、探せばもう少し手頃なのもあるようですが。
しかし、団員アンケートでは
「やってみたい楽器」に挙げた人がいます(実は私も)。
あの音色と、温かみのある木の魅力でしょうか。
担当楽器と別にファゴット持ってる人もいるし。
えー、楽器は持ってないけどファゴット吹ける方、
今なら幕フィルでは楽器を借りられます。
管トレーナーがファゴット奏者で、
指使いなどの技も教えてくれるそうです。
(2/11 「管楽器セクション練習」参照)
まだ席は空いてますので、ぜひおいでください♪
もちろん楽器持ちも大歓迎!
あ、つい団員募集になってしまった(笑)。
ではそろそろ、楽器を分解して片付けて・・・
また次回~♪ (びおら~1号)
幕フィル的 楽器紹介《弦楽器(共通)編》
こんばんは、びおら~1号です。
お久しぶりの『幕フィル的 楽器紹介』
今回は、「弦楽器共通のもの」について
お話ししたいと思います。
まずは、ちょっと変わった視点で。
この写真は前にちょっと触れた「駒」のアップです。
なんとなく、ウルトラマンシリーズの
「なんとか星人」みたいに見えませんか?
肩に弦をしょって ふんばってるみたい・・・。
この写真はヴィオラのですが、
チェロやコントラバスだと 長身足長になります(笑)。
駒の向こうに見える、黒い丸いものはミュート(弱音器)です。
弱音と言っても、演奏用のは音色を変えるために使われます。
今度の曲では、『新世界』の2楽章で
弦楽器の全パートがほぼずっとミュートの指示なので、
音色の違いがわかるんじゃないでしょうか。
ミュートは大抵はゴム製で、
使うときはこんな風に駒にはめます。
ヴァイオリン形のもあります。
そして、糸巻きの部分。
弦の両端にはいろんな色の糸が巻かれてますが、
配色は銘柄によって違うんですよ。
弦を巻きつけた糸巻き(ペグ)を回して
調弦(チューニング)をします。
実はこのペグ、ネジになってるわけではありません。
木と木の摩擦で止まってるだけなんです。
途中に開いてる穴に弦を通し、巻いていきます。
真ん中へんと端の所が、摩擦で減ってテカってますね~(^^;)
ただ、この構造のために、空気が乾燥すると
木が縮んで止まりにくくなります。
ケースを開けたら、弦が緩んでてビックリ!!なんてことも★
あと、微調整がしにくいので、弦を引っ張ったり押したり、
アジャスターという部品をつけたりしてます。
コントラバスだけは 弦が太く張りが強いので、
金属の歯車がついた構造になってます。
ちなみに楽器の材質は、スプルース(マツ)、メイプル(カエデ)、
黒檀と、かなりの部分が木材です。
なので、湿度が低いと乾燥して音がよく響きます♪
(弓の毛はパンパンに張っていきますが。)
逆だと、もちろん・・・(- -;)。
さて、演奏面で ボウイングの話を少し。
弦楽器の弓使いは、楽譜にはこんな感じに書き込みます。
(仮面舞踏会・ワルツの ヴィオラの楽譜です)
Π が「ダウン」で、手元から先へ。
∨が「アップ」で、先から手元へ。
基本的にコンマス(コンミス)に従うんですが、
1stヴァイオリンにないフレーズだったりすると、
各パートトップが考えて決めます。
トレーナーの助言や、テンポなどの都合で
時々変わったりするので、書き込みは必ず鉛筆で!
余談ですが、12月のアンサンブルの時に、
普段は管楽器を吹いてる人で、
弦楽器で参加した人が2人いました。
その時、この書き方にちょっと戸惑ったそうです。
ボウイングに慣れてない上に、管楽器の場合
Vは「ブレス(息継ぎ)」の記号だから・・・。
というわけで、弦楽器編はこの辺で。
次回はファゴットの予定です。お楽しみに♪