前の記事から60日以上もたってしまいましたが・・・。
前回の記事でほんの少しだけ川跡を歩いた藍染川。
現在は暗渠となって上野台地と本郷台地の間の住宅地を水源としているようだが、
かつては石神井川の本流だったのだとか。
確かに地形図を見ると、石神井川から本郷台地と上野台地の谷をたどる流れが自然なような気がする。
しかし現在の石神井川はそのような流路をとらず、王子のあたりで上野台地を貫き
そのまま隅田川へと流れ込んでいる。
石神井川がなぜ現在のように隅田川へ流れ込むようになったのか、流路の変遷が人工によるのか、
それとも自然によるものなのか、そしてその時期はいったいいつなのか、
今でもはっきりとはわかっておらず諸説あるのだそうだ。
真相を確かめるには古文書を読み解いたり、地面をボーリング調査しないといけないので、
そういうのは専門家に任せて、
とりあえず私は石神井川が上野台地を貫いている場所を見に行ってみることに。
やってきたのは京浜東北線の王寺駅。
この近くに石神井川が流れているはず。
上野台地を貫通させるような荒ぶる川の姿が見られるだろうか。
王寺駅の西口、お花見の名所の飛鳥山は上野台地。
王寺駅の東口。都電の停留所のすぐ近くに用水路っぽい川がある。
実はこれが上野台地を過ぎた後の石神井川の流れ。
全然荒ぶってない。
ウィキペディアでみたところによると、王寺駅付近の洪水を治めるため、
1966年から1968年にかけて飛鳥山の下に分水路を通す工事が行われたとのこと。
よって上の写真は旧流路。
旧流路にはくみ上げた地下水が流されているそうで、
王寺駅の西側、渓谷のような音無親水公園も旧流路だ。
うっかり現在の本流の写真を撮りっぱぐれてしまったが、
例え今は人工の流れであっても、この辺りの川の変遷を知っているのは旧流路だろう。
「昔は俺もヤンチャでさ」などと先輩や上司の武勇伝を聞かされても
うんざりするばかりだが、
「昔はこれでも谷を削ったもんだよ」などと川の神様の豪快な昔ばなしを聞けたなら
どんなに素敵だろう。
こちらは多分、分水路に入る前の流れ。
かつての流れは飲み屋の間をひっそりと行く。
つづく