旧鴇田家住宅

習志野市にある旧鴇田家住宅へ。
最近なぜだか古民家がちょっとマイブーム。
そういえば実籾に見学できる古民家があるから
ちょっと行ってみよう、というわけで。
旧鴇田家住宅は、実籾本郷公園の敷地内に建っている。
この公園のある場所は谷になっていて、かつては沼地だったようだ。
その地形を活かしてかどうかはわからないが
公園内には菖蒲園とかホタル野なんかの水辺が多くて、とても良い雰囲気。
旧鴇田家住宅の生垣の前にも水路が流れている。

水路を渡って、門をくぐると目に入る旧鴇田家住宅。
非常に大きな曲屋造りの建物。

もともと御成街道沿いにあった名主の家を移築復元したものだ。
曲屋というのは、屋根を真上から見た場合にL字型になっている建物のこと。
岩手の南部地方で多く見られる造りで、関東では珍しいとか。
土間の入り口から室内に入る。
かまどがあった。

天井がなく梁がむき出しなので、室内はとても高く感じる。
囲炉裏のある部屋。

家の中央にあるのは、土間や座敷など家全体に目が行き届くようにするためかな?
こちらは座敷。

座敷から見える庭も、とてもきれいだ。

素晴らしさに興奮しながら、ひととおり室内を撮った後
外に出て再びあれこれ写真を撮っていたら、ここの管理をされている方が話しかけてきてくれて
いろいろ面白い情報を教えてくれた。
・家を解体するときは、木材に番号をふったりしてちゃんと記録を取ったのだが
 庭の記録をするのを忘れてしまい、どこにどんな植木があったかイマイチわからないこと。
・成田の庭師が庭の設計をしたのだが、元は無かった水琴窟を作り
 しかもその音はマイクで拾ってスピーカーで庭に流しちゃっていること。
・屋根に使う茅を確保するのは、現代では非常に困難なこと。
・霞ヶ浦にある、佐倉市の確保した茅場から茅をわけてもらったこと。
・ここまできれいに移築復元できたのは、解体する直前まで、住人の方が
大切に住まわれていたからだということ。
・解体したのはいいけど、復元する予算がつかず、しばらく木材を
袖ヶ浦の幼稚園に保管してもらっていたこと。
などなど。
茅場の話しはとくに興味深かったなあ。
他にもいろいろお話しを聞いた気がするけど、う~ん、思い出せないな。
そのおじさん、
12月のはじめには、庭のカエデが真っ赤に染まるからまたおいで、と言ってくれた。
もちろんまた来ます!
おしまい。
また行きました。
今度は広角レンズを持っていこう。
標準の単焦点レンズで撮るには、この家は大きすぎる。

上総川間駅 大多喜街道をゆく⑥

上総鶴舞駅の次に、
そのひとつお隣の上総川間駅にも寄った。
上総鶴舞駅は街道沿いにある駅であったが
こちらの上総川間駅は360度田んぼに囲まれている。
駅舎はこんな感じ。

駅舎というより、待合所といった風情。
駅から一番近い建物は、農家と思しきお宅であるが
そこまで行くのに畦道を4、5分歩かなければ着かなそうだ。
なぜこんな場所に駅を作ったのだろう。
駅があって、人が集まって、街ができていく。
なんていう概念はまったく通用しない。
なんとも言えない茫洋とした世界。
「千と千尋」の終わりのほうに出てくる、列車から見える
懐かしいようで、少し不安をかきたてるあの風景に似ているような・・・。


なぜこんな場所に?とか、不安を掻き立てるとか、勝手なことを言いましたが
駅には2人ほどお客さんがおりました。
ま、とにかく必要だから駅があるんでしょう。きっと。
程なくして、五井行きの列車がやってきた。

上総川間駅16:23発。
ちなみに次に五井行きの列車が来るのは17:53。
1時間半後ですと・・・。
こういうローカル線で、気ままに乗り降りして旅をしたいとたまに思うけど、
実際は時刻表とにらめっこして、綿密な計画が必要になるんだろうな。
大多喜街道をゆく」、おしまい。
ところで、マクスタでブログを始めて
今日11月24日でちょうど一年になりました。
毎日書こう!とか、そういう意気込みは全く無く
なんとなく始めたこのブログですが、気が付いたら一年続いてしまいました。
ちなみに最初の記事はこんなんでした。
http://flatserve.makusta.jp/e16457.html
今までに少しでもこのブログの記事を見て下さった方、
そしていつも温かいコメントをくださる皆様、本当にありがとうございました。
これからもまた変わらない感じで
細々と続けてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

小さなジョッキー

中山競馬場にて

ずいぶん大きくなったと思ってたけど、
こうやって見ると、まだまだちっちゃいなあ。
昨日は家族で中山競馬場へ。
実家が近くて、小さい頃は父親に連れられて何度も来た。
薄暗い馬券売り場で
口頭で馬券を買っている父親の姿をなんとなく憶えている。
当時はマークシートじゃなくて、窓口のオバさんから馬券を買ってたんだよね。

昨日はレースの開催は無くて、場外発売だけだったけど
広場で乗馬ができたり、騎手の格好をして写真を撮れたりと
かなり楽しむことができた。
しかも全部タダ。無料!
乗馬なんて、子供だけだと思ったら、大人の方も是非どうぞなんて言うもんだから
ここぞとばかり乗せていただきましたよ。
子供が生まれてからは初めて来たけど、
もっと早く来ればよかった・・・。

上総鶴舞駅 大多喜街道をゆく⑤

大多喜からの帰り道、
小湊鉄道の上総鶴舞駅に寄った。
「関東の駅百選」のひとつに選ばれた駅だ。
この辺りを車で通るたびに、ついつい寄ってしまう
魅力的な駅。
駅舎はこんな感じ。

駅前には結構広いロータリーがある。
今では無人駅だが1998年までは有人の駅だったそうだ。
その名残で出札口がある。

一日の平均乗車数16人だって。
僕が寄ったときには2人のお客さんが列車を待っていた。
線路を挟んで駅の向こう側は広々。田んぼと畑ばかり。

旅情をそそるねえ・・・。

ずいぶん遠くに来たような気分になるけど、
千葉から一時間足らずで、こんな風景に会える。
いいよねえ。

西願寺阿弥陀堂 大多喜街道をゆく④

大多喜へ行く途中、市原市の平蔵というところを走っていると
車のナビに「西願寺阿弥陀堂」と書いてあるのを見つけた。
普通の寺だったら西願寺とだけ表示すればいいのに、
わざわざ阿弥陀堂とまで書いてあるのは何でだろう?
と思っていたら、街道沿いの案内看板に「国重文」とあった。
そして車の中からちょっとのぞいてみると、なるほど素晴らしいお堂が建っているではないか。
これは凄そうだ、というわけで大多喜散策の後、帰りに寄ってみた。
だいぶ日も傾いて、山肌に隠れそうになっていたけれど。
これがその西願寺阿弥陀堂。国の重要文化財。

う~ん、すばらしい佇まい。
ちなみに、堂内の厨子も同様に重要文化財。
明応4年(1495年)に建立されたそうだ。当時は七堂伽藍であったそうだが
現在残っているのはこの阿弥陀堂だけ。
かつては上部が金箔で、下部が朱塗りという凄い姿だったとか。
山の中の街道沿いに、ポツリと重要文化財が建っているという
意外性がまたいい。
軒下の組物も美しい・・・。

駐車スペースからお堂をみると、こんな感じ。

周囲の植木にも手入れが行き届いている。
周辺の山々が紅葉で色づいてくると
またこのお堂も映えるんだろうなあ。
いいもの見せていただきました。
しかし、茅葺きの屋根のきれいに揃ったこの感じ、何かに似ているとずっと思っていたのだけど、
そうだ、床屋に行きたてのカリアゲににてるんだな・・・。

大多喜散策 つづき 大多喜街道をゆく③

大多喜散策の続き。
大多喜の町中を走る旧街道は
いかにも城下町らしく鍵形に道が曲がっている。
その曲がり角に建つのが
国の登録有形文化財「豊乃鶴酒造」。

現役の酒造メーカー。「大多喜城」という酒を造っている。
お酒は酒蔵で買えるというので、ちょっとおじゃま。

レンガ造りの煙突がステキだ。
そしてお土産に吟醸酒を買った!
さらに旧街道を行くとあるのが「大屋旅館」。
こちらも国の登録有形文化財。現役の旅館だ。

いいなあ。もうちょっと歳をとったら泊まってみたいぞ。
鉄道で房総一周一泊二日で、宿はここってのはどうだろうか・・・。
と言いつつ、旅館よりも気になったのが
お向かいにあるこのお家。

チョー気になる!!
旧街道をしばらく歩くと古い街並みは途切れ、川にぶつかる。
御禁止川(おとめがわ)というそうだ。
川に架かる橋からは大多喜城といすみ鉄道の鉄橋が見える。

ホントはここに列車が通りかかれば、絵葉書みたいな写真になったんだろうけど
なにしろ列車の本数が少ないので・・・。
このあと橋を渡って蕎麦屋に入り、
その後、旧街道を引き返して散策は終わり。
同じ小江戸でも、川越のほうが観光地としては完成されている感じだけど、
大多喜もなかなか充実していて楽しかった。
のんびりできるのはこっちの方だな。
今度は列車で来てみよう。
大多喜散策、おしまい。

大多喜散策 大多喜街道をゆく②

房総の小江戸とも呼ばれる、大多喜の城下町を散策した。
天正18年(1590年)、本多忠勝が城主となり
地名を小田喜から大多喜に改め、城下町を整備。
現在のような街並みが整ったのは江戸時代の前期頃だそうだ。
小江戸といえば、先日川越に行ったばかり。
このときはあまりの人出と交通量の多さに参ってしまって
小江戸の趣きを感じる前にさっさと帰ってしまったのだが、
さて、こちら房総の小江戸はどうだろうか。
まずはいすみ鉄道の大多喜駅近くにある無料の町営駐車場に車を止め、
駅前の観光案内所で情報収集。散策マップをいただく。
こちらが大多喜駅。

では散策スタート。
駅から東へ向かって徒歩5分、とりあえず旧大多喜街道沿いを散策していく。
そして最初に現れるのがこちら。
「渡辺家住宅」。国の重要文化財!

江戸時代後期の建物だそう。
むかし「なんでも鑑定団」に出演していた日本画家の故渡邉包夫先生のお宅であります。
個人宅なので見学不可なのだが、うっかり入ってしまうところだった・・・。
たぶん知らないで入っちゃう人いるだろうな。
旧街道沿い、渡辺家住宅のすぐ近くにある
「釜屋」という土蔵造りの商家。質屋と金物屋を営んでいたそうだ。

軒下から街道を眺める。

旧街道沿いは古い建物が多く、落ち着いた雰囲気だが
それ以外の新しい商店や一般住宅も含めて街並みを整備しているようだ。
その前にあった酒屋さんの看板。

こちらも気になる看板。

キューピーとパンダが・・・。
お菓子屋さんの看板。

チウインガムだって。
つづく。

平三簡易郵便局 大多喜街道をゆく①

車で大多喜町に行った。
房総の小江戸と呼ばれる大多喜の城下町の散策がお目当てだが
まずはその途中、大多喜街道で見つけた気になる建物を。
行きで見つけて気になったので、帰りに寄ってみたのだ。
それがこちら、平三簡易郵便局。

場所は市原市の山の中の街道沿い。
周辺には「市原ぞうの国」なんかがある辺り。
局員の方のお話しによると、
この建物、昭和30年代に建てられたそうだ。

「ひらさん」と読むみたい。
ちなみに簡易郵便局というのは
民間による郵政の代理店みたいなものだそうだ。(ウィキペディアより、民間というのは国以外という意味)
とっても味のある建物だと思うのだけど、
局員の方は
「お金があればすぐにでも建て替えたいんだけどね~」だって。
「大雨が降ると雨漏りがね・・・。
修理するとなると、古すぎちゃって全体を直さないといけないんだよね」
ああ・・・。それは味どころじゃないですね・・・。

そういえば局の中に入ったときに
「簡易郵便局を撮って廻ってるんですか?」なんて訊かれたけど、
そういう人がいるんですか?
これは私に簡易郵便局を見て廻れという啓示でしょうか!?
次回は大多喜の城下町の散策を。

芝山仁王尊 ②

芝山仁王尊のつづき
通称で芝山仁王尊と呼ばれているとおり、
江戸時代に泥棒除け、火事除けの仁王様として篤い信仰を集めたそうだが
寺の本尊は仁王ではなく十一面観音菩薩である。
ほんとは観音教寺だものね。
そしてこちらがその観音様がおわす本堂。

御本尊は秘仏。
そりゃ、会えない御本尊より
いつでも会える仁王のほうが愛着が沸くってものですな。
本堂の横には三重の塔がある。
県の文化財なり。

いい天気だったけど、空の色はこんなに青かったかなあ。
寺の上空は成田空港への飛行ルートになってるようで、
ひっきりなしに飛行機が通る。

寺と飛行機の組み合わせがなんだか新鮮。
久しぶりにゆっくり寺を見た気がするなあ。
おしまい。
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