夕刻6時まで各自、しばし休憩を取った後、食事へと出かけることとなった。聞くと「和田金」という大層ご立派なところだと言う。
丁重に歓迎され、中に入るとまず、立派なロビーに驚かされる。料亭と思っていると大間違いで、立派な温泉旅館そのものの造りなのである。
最初に、何品か懐石のようなメニューが出てきたので、てっきり懐石料理の店なのかと思っていたら、テーブルの中心に設えた、炭火に鍋がセットされ仲居さんがすき焼きを作っていってくれる。炭火のパワーは大したもので、汗ばむようであった。
S代表の計らいで、僕だけなぜか「地酒3種飲み比べ」が用意され、「それぞれ60cc入っているので、ちょうど一合になります。お気に召したものがあったら追加してください。」と置いていってくれた。
普段はビール派の僕は、日本酒はあまり進まないが、これは大きく違った。右利きなので、一番右端のを先に飲んだのだが、かなりフルーティーな味と香りで、グラスがピンクがかっていたので、果実酒を飲んでいるような錯覚である。
また、他の二種も大変飲みやすいもので、それぞれに味わい深いものであった。
すき焼きが終わり、火が消えると途端に部屋が冷えてくる。
会食も一段落し、恒例の「じゃんけん大会」である。九人で総額18万円という初任給レベルである。負けるわけにいかないので、勝ち抜けし、安堵したのもつかの間。なんと、アイギスの高卒新人、Kさんがよりによって負けてしまったのである。迂闊であった。