「後は、電話帳の移行でしたね」とスマホの設定をしてくれていたお姉さんが言うので「専用の機械はないのか」と聞いた。
Docomoの店員さんの口ぶりから、各キャリアでDOCOPYのようなものがあると思っていたのだ。
「いやそんなものはありませんよ。お客さん、連絡先少ないですね。」とGメールの連絡帳を見ながら言った。
「あっそれはGメールのだから。ドコモの携帯に入っているアドレス帳を移行して欲しいんだ。」
「ちょっと試してみたいことがあるので、お客さん、この(店が用意した)スマホで、Gメールに入ってくれませんか。」
と1台のスマホを差し出す。
一文字一文字、拙いしぐさで入力していく。
携帯には英数が切り換えられたが、例えば「2」と言う数字を入力するのも「abcABC2」と7回触れなくてはいけないので大変だ。
そんな感じで、Gメールに入(はい)れたところで、デバイスを渡す。
「約50件転送できましたよ。これで良いですか」と連絡帳を見せる。
きちんと、移行ができたようだ。
「今の機種で赤外線が付いているのは“らくらくホン”ぐらいで、お客さんのスマホには“Zeetle”というアプリを入れました。さっき、“ジー”と音鳴ったでしょ。あれで、データが転送できるのです。要らなかったら消去してください。アイコンに触れながら動かすとゴミ箱が出ますから、そこに入れるだけです。
さっき使ったスマホは店の物で、赤外線が付いていたので、携帯から店のスマホを経由させ、お客さんのスマホへデータを転送しました。この(店舗の)スマホは初期化し、お客さんの情報は消去しました。」
「初めてスマホを持つのに、いきなり格安スマホはハードルが高かったかな?」と言うと
「どこで買ったんですか。量販店ですか?」
「いや、インターネットで」
「えっ、オンラインストアで!」
その女性店員はあきれ顔で奥へ行き、「丁度この機種のマニュアルが1冊だけ残っているので差し上げます。文字の入力の仕方から載っていますのでお使いください」と確かに未使用状態の新品マニュアルを差し出した。(写真は前回(前編)分を参照)
さっき光を手続きした男性店員が近づいて来て
「今加入しているプロバイダから3日以内に番号が届くので、電話でいいから番号を教えて下さいね。」
そして
「お客さん、お客さんのようなタイプは奨められなければ乗り換えとかしないようだから、2年縛りではなく5年縛りにしたらどうですか。さらに安くなりますよ」
と勧誘してきた。
「だけど、違約金も高くなるでしょう?」と尤もな質問をしてみた。
すると、「ええ、そうですけど、もし乗り換えるとしても、今回みたいに乗り換え先が全額負担するから大丈夫なんです。SoftBankも最大10万円までは面倒見ますから」と誘ってくる。
なるほど、確かに乗り換えの際の違約金の類は「乗り換え先」が保証してくれるのである。
それならば、と言うことで、5年縛りにした。
そして、証明書貼付シートを折りたたみ、青色の封筒に入れながら、
「必ず(解約手数料請求の)手続きして下さいね。もったいないから。手続き後に郵便為替証書で届くけど、為替証書は分かりますか?」
と言うので
「使ったことあるから大丈夫」
と頷き、封筒を受け取った。
(後編なのに、さらに接続編へ続きます。)