入院初体験(手術も!)③

つかのドアを通って手術室に入る。テレビドラマでよく見るシーンである。「本日○○を担当する○○です」と胸についているIDカードを持ちながら、矢継ぎ早に挨拶してくる。名前はおろか、顔も覚えられない。

手術室はドラマのセットのごとくで、「チームバチスタ」みたいに、何人かセットで役割があるようだ。手術台に横たわると手際よく、血圧計・心電図・酸素計測器?等が装着される。

室内は意外にも洋楽のBGMが流れている。ダフトパンク、テイラー・スウィフト・・・。ちょこっと前のヒット曲だ。

局部麻酔を打った後、右目を大きく開けられ(ているのだと思う)洗浄液が流し込まれ、手術が開始される。目頭に何か挟み込まれるように入ってきて、「痛い」と告げると麻酔を追加してくれた。

先ほどから点滴を受けている「気分をリラックスさせる薬」の効果で、うつらうつらすることもあった。5分おきくらいに血圧計が締まるのがわかる。

「筋肉引っ張りますよ」と宣言される。我慢できない痛みではないが、体を硬直させて踏ん張る。これが4~5回くらいあっただろうか。
目の手術なので時折、電気を暗くする。ところが明るくなってもはっきり見えない。レーザーのような物を照射している音は聞こえるが物は見えない。

モスグリーンの障子に影絵を見ているように、人影だけを認識することができる。「失明の間際ってこんな感じなんだろうな」などと考えてしまった。

ベルトをまいて、水を抜いてもらい完了。
「お疲れ様でした。手術終わりましたよ。今から確認しながら閉じますから」
あ~やっと終わった。と思ったが、この確認っていうのが結構時間がかかり(まあちゃんと確認してくれたほうがいいけど)まだゆっくりできないのがつらかった。

要所で力も入ってしまったので、車いすへ移動するとやはり目まいが。汗もかいていたので病室で拭いてもらう。時刻は17:30だ。手術室に2時間半いたことになる。

喉が渇いたので「お水ください」と言って、一口飲んだ。「一時間安静にして下さいね。その後食事ですから」と去っていった。

外は明るい時間帯だったが、意識を失ったかのように眠ってしまった。その後、気が付くと食事が置いてあったが、気分もよくないので様子を見に来てくれた看護師さんに下げてもらい、また眠りこけてしまった。

2016/ 5/31 13:30

翌朝、水を飲もうとコップを見たら、なんと採尿用のコップであった。

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