アーカイブ | 2020年9月10日

ゆるやかな見守りと個人情報保護法

岩波新書IT委員会武山

最近、福祉委員会、役員会で、「ゆるやかな見守りと個人情報保護法の問題」が話題になっている。悩ましい問題である。この問題は我が自治会だけでなく、日本中で問題になっている。ここでは、一つ参考書を紹介する。我が自治会で問題になっていることとそっくり同じ事が書かれている。

大月敏雄:街を住みこなすー超高齢社会の居場所づくり― (岩波新書、2017年)

著者は東大建築工学教授。専門は住宅政策等。この本の169ページ~172ページに、「我々の仲間から孤独死を出さない」ための瀬戸際作戦、予防作戦として「ゆるやかやかな見守り活動」の大切さが説かれている。続いて、173ページに個人情報保護法に関係して次のように書かれている。

《町の中にどんな人が暮らしているのかを大まかにでも知らなかったら、瀬戸際作戦も、その予防作戦も、なかなか展開できない。ましてや個人情報保護法が施行されて以来、町内会の名簿、災害時の要援護者の名簿の作成もままならない現在、町の情報を把握するのはなかなか難しい。…… 個人情報を善意に用いようとする人びとの活動意欲をそがないように、設計し直されるべきだと考える。……〉
これは、我々が自治会で遭遇している問題と同じである。我々が出来る具体的対策はハッキリとは書かれていないが、皆が知恵を出し合って、時間をかけてでも考えなけらばならない問題だろう。地域のことをよく知っているのは、見守り隊のほかにブロック別防犯パトロール隊がある。彼ら彼女らの情報は大変役に立つと思う。