前回12月5日投稿では、イギリス・ドイツ・アメリカの欧米3カ国と日本・韓国・台湾の東アジア3カ国の新型コロナ感染者動向の比較をしました。
今回は、国数を増やして、統計が信頼おけそうな欧米諸国に日本・韓国・台湾・シンガポール・ニュージランド・オーストラリアを選んで、計23か国のコロナ感染者数の推移と死亡者数の推移を比較します。
1.ワクチンの接種率は今回も日本が一番高く、100人当りの接種数が250回以上の国は、高い順に日本・台湾・ポルトガル・シンガポール・韓国・カナダの6カ国です。220回以下は、高い順にイギリス・ノルウエイ・アイルランド・ルクセンブルグ・オランダ・スペイン・アメリカ・イスラエル・スイスです。日本がワクチン接種で如何に特異的かが分かります。(図は省略)
2.下の図1に累積感染者数の推移を表わします。多くの国が2021年12月から2022年4月にかけて、感染者が急増しています。この変化はオミクロン株への変化と対応しています。
2022年7月時点で感染が遅れているのが、台湾・日本・ニュージーランド・カナダ・韓国・オーストラリア・シンガポールのアジア・大洋州の国とカナダです。
欧米の多くの国ではこの間に人口の30~40%が感染しています。実際はこれよりも多く、自然感染による集団免疫が支配的になっているのではないでしょうか。この半年くらい感染者の顕著な増加のない国がたくさんあります。(図3も参照)
3.図1の曲線の直近の部分の傾斜を見ると最近の患者数の増加が見られます。増加が大きいのは、上から順にオーストリア・フランスの欧州2カ国と韓国・シンガポール・オーストラリア・ニュージーランド・台湾・日本のアジア4各国と大洋州2各国です。アジアと大洋州の国はいずれも新型コロナの感染が遅れた国です。フランスは例外です。図3も参照ください。
4.図2は累積死者数の推移を示していますが、アジア・大洋州の6カ国は全体的に低く抑えられ、良く管理されています。低い順に言うと、シンガポール・日本・ニュージーランド・韓国・台湾・オーストラリアです。
5.各曲線の最後の部分の傾斜は直近の死者の増加を表わしますが、台湾の増加が大きいのが気になりますが、他の国は日本と同程度に抑えられています。
6.欧米の死者が非常に多いのは、2020年12月から2021年2月です。(図4も合わせご覧ください)。この間の感染者数は2項の2021年12月から2022年4月の感染者が非常に多い時期に比べると感染者数は低くなっています。アジア・大洋州6カ国では、死者の増加の主体は2022年に起こっていますが、欧米に比べると低く抑えられています。
7.ほかの理由もあるでしょうが、オミクロン株の感染力は強いが、重症化率は低いという特徴を表わしていると思います。
詳しくは次をご覧ください。
比較する国が多く、複雑ですが、矢印ポインタをマウスで動かしながら、国名に当てると、特定の国の変化だけが読み通れます。また、矢印を途中の年月日に合わせると、その時点での感染者数などが読み取れます。興味のある方は試してみて下さい。
図1 23か国累計感染者数比較(人口100万人当り)
図2 23か国累計死亡者数比較(人口100万人当り)
図3 23か国感染者数比較(人口100万人当り、7日移動平均)
図4 23か国死亡者数比較(人口100万人当り、7日移動平均)