コロナの感染が拡大している中ではあるが、新橋方面へ行く用事ができてしまった。
そこで、折角なので、以前から気になっていた、今回のお店に行くことを思いついた。
数年前から、幾度となくこのあたりを徘徊しているのだが、新橋付近は、所狭しと飲食店がとにかく犇めき合っていて、裏通りの路上にも、大体お手頃価格になっているランチの案内板が乱立している。
その中の、1枚の看板が気になっていたのだ。
夜は居酒屋だけど、ランチをしているという。
値段もお手頃感がある。
ランチタイムとしてはかなり遅くなったタイミングで、現地へ着いた。
現地で案内板を確かめ、その案内図に従って歩いてみる。
歩き始めてから、この時間、営業しているのだろうか?と一抹の不安を抱えたまま、目的と思しきビルの前に立つ。
居酒屋「光」(店内で“ひかり”とふりがながあった)である。
前に立ってから、「ここを降りていくのか」とちょっと決心をする。
ちょっと急な狭い階段だ。
恐る恐る階段を降り進めると、進行方向右側の扉から明かりがこぼれており、何やら話声が聞こえる。
中を覗くと先客は無いようで、椅子を壁に除けてのお掃除中だ。
「今大丈夫ですか?」と声をかける。
店内はL型のカウンターのみで、10人ほど入ればいっぱいになるところだ。
お掃除をしていた女性の方が
「どうぞ、どうぞ」という。
しかし、椅子が邪魔で奥に行けないのである。
察した女性の方は椅子をカウンターの方へ除けて
「こちらにどうぞ」と、L字の突端へ案内する。
「すみませんね、こんな時世なので」と言いながら除菌スプレーを持ってきたので、手にかけて消毒する。
一緒に持って来てくれたメニュー表から500円(税込み!)のランチに目をやる。
今回注文した、唐揚げとアジフライ定食の他に、唐揚げとイワシフライ、唐揚げとサバの塩焼き定食のようなものもあった。
「これと、ライスを大盛で」と注文する。
「ライス大盛は150円追加になりますけどいいですか?」と聞くので、それでいい、とお願いした。
(写真には収まっていませんが、右下に沢庵の千切りの小皿も載っている。)
店主一人でが、手際よく料理を作る。
作りながらご飯をよそう。
見ると、普通の茶碗ではあるが、激山盛りである。
待っている間、ふと目の前にあるメニューが目に入ってしまったところ、「期間限定」で普段700円のエビフライが追加されたメニューも500円であることが分かった。
あ、これにすればよかったな~、という飲食店、注文あるある状態に陥っていると、
「お待ちどうさま」と目の前に定食のお盆が置かれる。
食べる前に、写真を撮ろうとしていると、
「これ、サービス」
と唐揚げ2個が手前に追加された。
(というわけで、今回は店名を明記してみました。)
目の前に醤油はあったが、ソースらしきものが見当たらず、水筒のような容器があったので、手に取ると、
「それ、ソースですから使って下さい」
とカウンターの中から声がかかる。
食べ進めていると、不意に顔の目の前に腕が現れ、一掴みのキャベツの千切りが
「ハイ」という一言と共に置かれたのであった。
このあたりの流れは個人経営ならではのやり取りで、チェーン店では決して味わうことのできない、家庭的な感じを醸し出している。
テレビでは「300人越えで重病患者も増えました。」というようなコロナ関連のワイドショーを見ながら完食。
650円(税込み!)を払って(アジフライだってスーパーのお惣菜で1枚100円以上はする!ほとんど利益が無いのではないだろうか?)、外に出ると相変わらず真夏の太陽が照り付けていた。