アーカイブ | 2020年1月19日

自治会の歴史(17)避難所が受け入れる人の想定

 

IT委員会代表TT

防災対策は、阪神淡路大震災・東日本大震災などの大きな災害が起こる度に見直しが行われました。今回は、台風19号の多摩川氾濫、10月25日の千葉地元の豪雨を参考にして、「土気南中学避難所運営」について、考えてみたいと思います。

1.台風19号の時
広域にわたり多摩川が氾濫する危険が報道され、避難所が一杯になり、自宅から離れた避難所に行かなければならないことが起こりました。避難所には近くの人だけでなく、遠くの人もたくさん来ることがあることを知りました。
また、特殊な例としてホームレスの人が来て、拒否され問題になった例もありました。

2.10月25日の豪雨
村田川氾濫危険が報告され、千葉市からレベル4(全員安全な場所に避難)の緊急速報が出されました。対象は大椎町、越智町の一部です。「避難所として、越智小・大木戸小・大椎小・あすみが丘小・土気南小・土気南中・越智中・越智公民館」が指定されました。あすみが丘第一自治会が関与している土気南中も入っていました。実際の被害は、対象外の板倉町で氾濫ではなく、がけ崩れで死者が発生しました。

3.9月1日に土気南中学校避難所訓練では
ところが、9月1日の避難訓練では他地域の人が避難してくることは想定されていませんでした。私は3年間連続の参加ですが、昨年も一昨年も同じでした。避難所運営委員から、 第一自治会の人はこの部屋、ガーデンコートの人はこちら、そのほかに、帰宅困難者もこちらとの説明がありました。
自治会に入っていない人はどうするのか? 帰宅困難者よりもずっと多くの人が対象になるはずです。すぐに疑問が浮かびましたが、近所の自治会と同じところに行けばいいのだろうと思いました。
しかし、村田川流域から避難してくるとは思いませんでした。一般住民の多くは私と同じ感覚でしょう。もしかして、運営委員の中にも、私たちと同じ感覚の人がいるのではと疑いました。

4.『緑区 防災・ふくしガイド&マップ』、『千葉市避難所開設・運営マニュアル』、「土気南中学避難所運営委員会メンバー表(平成27年度」を調べてみる
そこで、手元にある資料を調べてみました。
まず、各家庭に配布されている『ガイド&マップ』を見ると、村田川流域の町内会は、上流から小山・大椎・大木戸・越智です。大木戸以外は町内会地域に避難所はありません。土気南中学など高台にある避難所が受入れることが前提になっています。
千葉市HPからダウンロードできる『千葉市避難所開設・運営マニュアル』を見ると、誰でも受け入れるという立場です。避難対象の自治会区分・町丁区分はありません。ホームレスの人も受け入れる必要があるのは当然です。避難所運営委員会のには、市の職員も入っています。このような問題の対策には、プロの人の意見が優先されると思います。
平成27年度の長谷部運営委員長時代の「南中学避難所運営委員会メンバー表」を見せて頂きました。ここには自治会の人以外に、市役所職員・学校関係者・PTA・育成委員も入っています。自治会員だけのことを考えていたわけではなかったのでしょう。避難訓練の時も、初心に戻って自治会以外の人も受け入れることを配慮して貰いたいですね。

5.レベル4の緊急速報を考えてみる
千葉市からレベル4の緊急速報が出た時に、雨の中を避難所まで行けた人がどれだけいたでしょうか? レベル4というのは、「全員安全な場所に避難しろ」という指示です。この場合は、「家の中でも、より安全な2階に避難しろ。隣が少しでも安全なら、頼んで隣家に移れ。一人暮らしの高齢者がいたら、移動を助けろ」といったことだと思います。雨の中一人で避難するの反って危ない」というように、臨機応変に考えるべきでしょう。、

6.「対岸の火事」と考えずに、第一自治会の避難訓練の見直しを
今回は第一自治会地域は非常に危険ということではありませんでした。しかし、この際第一自治会の避難体制を見直してみましょう。平成29年度に発行された『30年のあゆみ』にある自主防災組織図を見てみましょう。この図は、従来の図と違って、訓練に使っている集合場所が記載されています。
気になるのは、第二ブロックの集合場所が集会所。第三ブルックの集合場所が創造の杜となっていることです。豪雨の時には浸水やマンホールの吹き出しがあり、一番危険な場所です。訓練の時には都合がいい場所でしょうが、実際の災害時は違っていることがあります。この組織図は三役会で推敲をされたものではありませんでした。見直しが必要です。そもそも、全員の避難はかえって危険な場合があります。
訓練と実際の場合の違いも考えてみましょう。 訓練はマニュアル通り行うこのが大切です。ところが、実際の災害ではこの通り進むことは稀でしょう。いつも応用問題として、解いていく必要があります。