IT委員会 武山
一昨年11月と昨年12月に、自治会で活躍された3人の高齢者が亡くなりました。皆さん、自治会活動とくに広報活動に足跡を残されました。高橋さん、川上さんは90歳以上、長谷部さんは87歳と長生きされました。皆さまの共通点は、パソコンが得意で、防犯パトロール・見守り隊にも熱心でした。
2020年11月11日ご逝去:元・自治会長で写真が得意な高橋幸助さん
2021年12月22日ご逝去:元・自治会長でホームページ・ブログを作った長谷部正明さん
2021年12月25日ご逝去:広報『あすみ』の記録・保管・整理などに貢献された川上幸作さん
詳しいご活動は次をクリックして下さい。
ちょうど、武山文子がお三方の活躍・交流を書いたエッセイが見付かりました。
10年余り前のあすみが丘プラザの《パソコン倶楽部》の様子が書かれていますので、記念のために転載しておきます。在りし日を偲んで下さい。
文中、Hさんは長谷部さん、Kさんは川上さん、Tさんは高橋さんです。もう一人のSさんは南自治会の方です。以下、お読み下さい。
《パソコン倶楽部》の三博士 武山文子 『あすみが丘交遊録』の1節を抜粋。
あすみが丘プラザの教室では、たくさんの講座が開かれている。《パソコン倶楽部》もその一つである。平均年齢七十歳以上、平均知能指数も高い恐るべき集団だ。夫につられて月一回私も参加しているが、高度な内容に付いてゆけず毎回、猛烈な睡魔に襲われる。〈水彩セブン〉で絵を描く時や年賀状の作り方のテーマは興味が湧くが、操作を覚えるまでに手描きしたほうが早いなと思ってしまう。
テーマソング入り《たそがれ長兵衛》の、しゃれたホームページで、四国八十八か所遍路旅のスライドを見せてくれる講師のHさんは、きれいな銀髪を七三に分け,チェックのシャツがよく似合う。パソコンを自由に操る楽しさを満喫している時、少年のような笑顔が印象的だ。元IT関係の仕事をしていてアメリカやハワイでの生活も長く、パソコン万能細胞の持ち主だ。
新しく出たソフトの紹介、性能の違うパソコンの特徴を知り、安く入手して使いこなす術も教えてくださる。山歩きの達人は、《ハイキング倶楽部》も主催している。グループで行った日本水仙の群集している〈水仙ロード〉や南総里見八犬伝の伝説が残る〈富山〉のハイキングなどは楽しかった。地域情報を掲載する《あすみが丘エクスプローラー》の編集長でもある。南警察署から連絡を受けて、〈空き巣3件、車上狙い2件〉と、月ごとの地域防犯情報を流してくれる。
いつも《パソコン倶楽部》の教室風景を写真撮りしてくださるのはKさん。元技術系大学の先生とお見受けする。自宅のポストに巣作りしたシジュウカラの観察写真日記は傑作だ。大きな口を開けて餌を待つ雛のかわいいこと。そんなに激写されても、無事雛たちを巣立ちさせた親鳥も大物ではないか。カメラと三脚をリュックに入れ、興味の湧くモチーフを探して歩く健脚の持ち主。丸い穏やかなお顔はつやつやで、とても八十歳に近いとは思えない。
私が個展を開いた時、油絵作品を撮影して素敵な記念アルバムを作って下さった。男の料理教室で学習したパエリヤの作り方のカラーレシピは、素材の写真入りで分かりやすい。写真編集能力はマジシャンのように高く、その場にいない人を隣に立たせてくれたりもする。
おしゃれなハンティング帽子を被り、赤いセーターを粋に着こなすTさんは、小柄でフットワークが軽い。感度のいい大型カメラと三脚を持って、〈あすみが丘〉を歩き回る。〈創造の杜〉の池の畔で、大きい岩の上にやって来るカワセミを待ち続けて、決定的瞬間をものにする。大きな木の上に鷹が巣作りしていると、飛び立つ瞬間をパチリと。四季ごとに変化する〈あすみが丘〉の自然を撮り続けている。何年か前の雪景色は緑区の写真展で大賞に輝いた。自冶会長も務められたようだ。写真に興味を持ったのは幼少時代とお聞きした。昭和12年頃、お父さんが家も買えるくらいの大金を払って買ってくれたボックス型の写真機で、わくわくドキドキ。目を輝かせて少年はどんな写真を物にしたのだろう。戦争経験もあり、負傷して少し不自由な指で巧みにシャッターを押す、恐るべき八十六歳である。
このように元気に活躍する〈あすみが丘〉の3博士の他にも、〈パソコン倶楽部〉には芸術家の雰囲気が漂う隠れ博士もいる。木綿の白い帽子に白いシャツをラフに着こなしたSさんは今風のエコな感じが素敵だ。過去のお仕事はグラフィック関係だと思う。奥さま制作のかわいい縮緬人形をデザインした年賀状はセンスがいい。四季の花と日本の紋章を組み合わせて作る美しいカレンダーは公募展で入賞した。高いパソコンの技術と芸術的センスの結合した小型カレンダーが今年も楽しみだ。本棚から〈デルボー〉や〈ミロ〉の画集もお借りした。
貴重なエッセイの紹介ありがとうございます。
福祉委員長 H