352・「マコとミコ」

昭和39年のレコード大賞曲「愛と死を見つめて」を歌った青山和子さんの経営するお店です。
 この当時私は九州の山奥で、大晦日といえばレコード大賞を見て紅白歌合戦を見て元旦を迎えるというのがどこの家でもそうでありました。
 マコとミコというのは、この歌の歌詞の名前ですね、これは映画にもなりまして、吉永小百合主演で大変ヒットしたそうです。
 友人と7日に飲む予定があって池袋で会うので、駅近くにこの店があるので行こうということで出かけてきた。
 8時からの営業だそうで、エレベーターで7階に上がるとどうやら一番乗りらしい、マスターがいて、さっそく青山さんを呼んでくれた。
 そしたらしばらくして本人が来たね、私がガキの頃テレビにかじりついてみていた本人である。興奮したねぇー、さっそく乾杯をしていろいろ話し込み歌を歌ったりした、「上杉さんうまいじゃない」お世辞とはいえプロに褒められてその気になったねぇ。
 あとから、初めてのお客が青山さん目当てに来たとかで10人ほどになって一段と盛り上がった。
目の前で、本人が歌ってくれるのである、こんなことはめったにないぜ、調子に乗ってデュェットまでしていただいた。
 何しろレコード大賞歌手とのデュエットである、顔が緊張してしまった。
その他に「夢をください」という素敵な曲も歌ってくれて大感激である。
 今の若い人には目の前でAKB48が歌ってデュエットしてくれると想像してくれればいい、興奮しないではいられまい?
 ご主人であるマスターは,敏いとうとハッピーアンドブルーのメンバーだそうで、ヒット曲「よせばいいのに」や「星降る街角」など、バブル全盛の頃、カラオケ全盛の頃一晩に何人の人が歌ったことか、今夜はこれを歌うとコーラスを入れてくれるのである、これも歌う本人そのものだからね、この年をしてミーハーをしてしまった。
 楽しい最高の夜を過ごしたね。
 実は、この日は相方が入院していて飲む日をずらすこともできたが幸いにも病状はそれほどでもなく、夜は付いていることもできないので飲みに出かけたのだが、翌日相方に話してみると退院して元気になったら私もぜひ連れて行ってほしい、と言われて私も安堵した。
 今度も楽しめることだろう、何しろレコード大賞歌手である、素晴らしいこと間違いなしである。

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