少女と告白


“湊かなえ”は巧いな。
「少女」と「告白」を読み終えてそう思った。
両作品ともに登場人物の視点、または独白で彼(彼女)らの真実が語られている。
その真実の点と点を結んで出来る円の中心に事実があるのだが、
これについては全く書かれていない。
読者の判断に委ねられているのだ。
しかも登場人物は誰しも“特別”な人間ではなく、
人なら誰しもが持つ心の弱さや負の感情をブーストさせて
オーバードライヴさせてしまった人々だ。
読んだ人は皆、キャラクターの誰かに共感を覚えるのだろう。
作者はごく普通の人々の個性をしっかりと確立させて描写している。
この巧みさに堪らなく惹き込まれる。
また、人がこの世から去ってしまっても
その人を取り巻く世界が消えてしまわないのと同様に
物語が終わってもストーリーは収束しない。
そこも読者の心に爪痕のような読後感を残している。
湊かなえさんの作品、また読みたい。
「告白」はボクの好きな映画監督の一人である「中島哲也」によって映像化されているので、
これも観てみたい。
公開当初、「下妻物語」、「嫌われ松子の一生」や「パコと魔法の絵本」の
中島監督が「告白」を映画化???
と思い、劇場に足を運ぶのを躊躇してしまったのを今でも後悔している。
「少女」の文庫化に伴い、本の虫熱に冒されたボクの読書感想文。

投稿者:

みらい

西森未来と申します。 カメラとベースの修行中です。 自転車が大好きです♪

“少女と告白” への7件のフィードバック

  1. さっそくお邪魔しました。
    最近読書もしようにも睡眠薬になるばかりですが、オススメの本があったら、どんどん紹介してください。

  2. >cooly85さん
    でしょ!
    躊躇しますよねぇ。
    >ぶっちーさん
    ようこそいらっしゃい!
    今後ともよろしゅうご贔屓に♪
    オススメの本ですがこんなのどうですか?
    http://be-smart.269g.net/article/17082130.html
    猫好きの友人、チャーリーさんのブログで紹介されてました。
    ボクはまだ読んでませんが気になる本です。
    あとは「たかぎなおこ」さんとか良いのでは?

  3. ミライさん本や映像にも興味あるんですねぇ!
    でも文章内にブーストやオーバードライブなんて言葉がでてきて音楽人が垣間見れました!(笑)

  4. >天田さん
    そうなんですよ、ちょっと首をツッコミ過ぎておろそかになりそうなんで、
    趣味を減らしたんですけど・・・
    まだ多趣味なようです♪
    アウトドアは自転車、インドアは音楽という基本姿勢でいきたいと思います。

  5. ミライさんが紹介してくれたビブリア古~今読んでいます。静かな謎が面白いです。

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