機動の戦士 第三話 ~強襲~


「なんて鈍重な機体だ・・・」
地上部隊に着任して初めての機体が水陸両用型モビルスーツでは
重力と水圧の両方の負荷がかかり,
いくら強化された肉体であろうともそれが正直な感想であった。
「そう言うな。それでもその機体はエクスペリメントだ。ただのズゴックではないのだぞ!」
「わかっている,任務は果たしてみせる,ク・マオー大佐。」
スピーカーから流れる上官の声に若干の苛立ちを感じながらもローズ・セブンスコード少尉は返答した。
この任務に成功したらまた宇宙(そら)に還れる・・・
あそこにはハマーン様が待っておられる。
そしてハマーン様は私に自らの乗機であった純白のMSを与えてくださる・・・
ローズはこの世で最も美しいと信じて疑わないMSに自分が搭乗している姿を夢想した。

「調整は巧くいっているようだな・・・ムラサメ研究所も良くやってくれる。」
ク・マオーはその口元に薄い笑みを浮かべた。
ハマーン戦争後,プル・シリーズに代表される強化人間プロジェクトを
研究・開発していたネオジオン軍内のニュータイプ研究組織は,
ザビ家の血脈を受け継ぐグレミー・トトの反乱,そしてその失敗後に解体されており,
その研究は日本にあるNT研究機関「ムラサメ研究所」が後を継ぐ形になっていた。
強化人間はその高いニュータイプ能力と強靭な肉体との引き換えに,精神面での脆弱性が問題となっていたが,
ローズ・セブンスコードは「カリスマ的人格に陶酔させる」ことによってメンタルの安定を保つ実験のシリーズの一人であった。
「カリスマ的人格」がこの世に存在するか否かは,もはやまったく意味を持たない。
ローズは自身の拠り所を得るため,巨体を前進させた。
つづく  ~結構人気あるようなので~
第二話← →第四話
この物語はフィクションです。
登場する人物,団体は元ネタが容易に想像つくかも知れませんが関係ありません。
当ブログに名前を連ねた方はご注意ください。
ですが関係ありません。

投稿者:

みらい

西森未来と申します。 カメラとベースの修行中です。 自転車が大好きです♪

“機動の戦士 第三話 ~強襲~” への3件のフィードバック

  1. 私が大佐… 出世したものだ!
    関東軍で実際にジイちゃんが少佐だったので
    やっと報告出来ますね(笑)

  2. ムラサメ研究所所属ってところがいいです!日本直属の機関ですもんね。「カリスマ的人格に陶酔させる」ってところがリアルな私と重なる部分があって、共感します。ク・マオー大佐、「大佐」という響きになんとも言えない感動を覚えます。ミライ大尉との戦闘が楽しみですv

  3. >熊雄大佐
    おじいさまは軍人でいらっしゃったのですね。
    ウチのじーさんは「長門」って戦艦に乗ってたって言ってましたよ,そーいえば。
    >rose少尉
    あからさまにガンダムなお話で先の展開が見え見えですね(笑)
    ガマンして少々お付き合いくださいませ。

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