小さな仲間たち

朝の体操を園庭で終えて、各クラスとも各々に遊具で保育士と一緒に遊んでいます。その群れから離れて赤い帽子の男の子が二人。チューリップ組(年少児)のMくんとKくんです。Mくんは大粒の涙を流して、KくんはMくんの傍に黙って立っています。
園長:どうしたの?
Mくん:「先生にしかられた~‼ウェ~ン‼」
Kくん:「あのね、悪いことをして叱られたの。」
園長:「そうなの?」
Mくん:「うん。ウェ~ン‼」と大きくうなづきながら泣いています。
 何があったのかな?でもMくん本人は自分が悪いと気付いているようです
園長:「自分が悪い時は、先生にごめんなさいって言えば大丈夫よ。お話してみてごらん。」と言うとMくん、泣き声がピタリと止み、じっと見ていますが体が動きません。
そこで「Kくんも一緒に先生のところまで行ってくれると思うよ。」
Kくん:「行こう、Mくん‼」とKくんがMくんの手を握るとMくんは魔法にかかったように、すっと立ち上がり一緒に歩き出しました。歩きながらKくんはMくんの背中に手をかけ、ほこりを落とすようにトントンとしてあげています。
廊下から遠く離れた所でMくんが先生に何か言っています。先生は笑顔いっぱいでMくんを抱っこしていました。
3歳児だって、こんなに素敵な思いやりを見せてくれるんです。子供同士で仲間に寄り添ったり励まされたり、ちょっとしたことをきっかけに自分で次の行動へと切り替えることができるのです。お友だちって良いものですねface01
きっと今日は二人、言葉にはならないけれど、そんな小さな信頼を寄せあったのではないでしょうか。
ちょっと待って…ちょっと背中を押してあげると…子ども達自らが歩き出すことって沢山あるんですね。