〈 最大の謎 〉さつき さみだれ さつきばれ その三

 数多ある歌枕の中で、芭蕉にとって一番念
頭にあったのは、松島でしょう。

 松嶋の月先心にかかりて・・・
  此のたび松嶋・象潟の眺供にせむ事をよろ
こび、・・・
  『日本古典文学全集 71 おくのほそ道 』
         小学館

 このように松島の景色に思いを馳せ、旅を
続けたにもかかわらず、松島の章に、芭蕉の
俳句はありません。
 同行した曾良の一句が、あるのみです。

 松島の景色があまりにも見事だったために、
俳句を詠むどころでなかったのでしょうか。
 「ああ松島や 松島や」と、詠んだのでしょ
うか。
 前者はともかく、後者は後生の作り話です。

 いずれにしても、『おくのほそ道』最大の
「見せ場」に、俳句を載せないのは、解せま
せん。
 謎です。         <つづく>

〈 漂泊の思い 〉
    さつき さみだれ さつきばれ その二


〈 「松尾芭蕉=忍者」説 〉
    さつき さみだれ さつきばれ その一

青葉
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
     前回の問題 解答
 上野原遺跡で発掘された早期の土器の文様
は、貝文です。
    

 
      今日の問題 
 『おくのほそ道』で、次の句を詠んだのは
誰でしょう。
  松島や鶴に身をかれほとゝぎす
        

 
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