樹木を伐採すると、きれいな「年輪」が見られます。
一年ごとの成長の足跡を示す「年輪」は、樹木が災害や地盤の変動などに耐えてきた証しです。
種々の生物遺物が堆積する地層にも、一年ごとの変化の足跡を示す証しがあるはずです。
水平方向の「年輪」に対して、垂直方向の「年縞(ねんこう)」が。
樹木の年齢は数千年までであり、「年輪」も数千年までです。
それに対して大地の年齢は万・億の単位であり、「年縞」も万・億の単位であるはずです。
にもかかわらず、億の単位はともかく、万の単位の「年縞」を示せる地点は、存在しませんでした。
水流や水中生物が表層をかき乱し、地盤が変動するからです。
ところが、数万年間に渡って、水流や水中生物が表層をかき乱さず、地盤が変動してこなかった、奇跡の地がありました。
若狭湾に続く三方五湖の一つである、水月湖です。
連続した「年輪」が約7万年分、世界中で水月湖だけに残されていたのです。
福井県若桜町の水月湖。
その湖底に、厚さ45mものタイムマシンが眠っていた。
これを「年縞」と呼ぶ。
水月湖の年縞は、年代決定の世界標準の「ものさし」に採用され、世界の歴史、考古学に欠かせない役割を担うまでになった。
『福井県年縞博物館 解説書』
前回の問題 解答
北緯35度は、10府県を通っています。
今日の問題
水月湖の年縞は、約3万年前とされてきた姶良カルデラ噴火を、何年の誤差で特定したでしょう。
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