東へ進むモンゴロイド・西へ進むコーカソイド その3

 カシアスークの遺跡を巡り、復元された住居の中に佇んでいると、不安に駆られてきます。
 住居の内部が真っ暗だからばかりではありません。

 カシアスークの周囲は、草原と言っても背丈が低い草ばかりです。
 夏の間は、草原に生えている草で、なんとか家畜のエサを賄えるかもしれません。
 しかし、短い秋が過ぎれば、すぐに冬に入ります。
 冬になれば、雪と氷に厚く閉ざされてしまいます。
 その長い冬を越えられるだけの飼料を確保するのは、並大抵ではなかったでしょう。
 冬を越せるかどうか、日々不安が募っていったことでしょう。

 ヨーロッパ人がカラーリット・ヌナート(グリーンランド)から姿を消してから、500年余が経ちました。
 現在は、当時とは生活環境においても交通環境においても、格段に向上しています。
 
 それにもかかわらず、ほんの一時の旅行者であるにもかかわらず、不安は容赦なく押し寄せてきます。
 カシアスークから対岸のナルサルサークへ渡る船が、無くなったらどうしようかと。
 カラーリット・ヌナート(グリーンランド)からアイスランドへ戻る飛行機が、無くなったらどうしようかと。
    < つづく >

世界地図 ヨーロッパアフリカ中軸アイスランド

東へ進むモンゴロイド・西へ進むコーカソイド その2

東へ進むモンゴロイド・西へ進むコーカソイド その1

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虹の中のアイスランド その19

 
 
 

      前回の問題 解答
 筑波山・女体山の標高が、筑波山・男体山の標高より高いです。
  
 

 
      今日の問題  
 ナルサルサークの人口が約300人に対して、カシアスークの人口は何人でしょう。
  A 約15人
  B 約150人
  C 約1500人
  D 約15000人
  E 約150000人
        

 

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