カシアスークの遺跡を巡り、復元された住居の中に佇んでいると、不安に駆られてきます。
住居の内部が真っ暗だからばかりではありません。
カシアスークの周囲は、草原と言っても背丈が低い草ばかりです。
夏の間は、草原に生えている草で、なんとか家畜のエサを賄えるかもしれません。
しかし、短い秋が過ぎれば、すぐに冬に入ります。
冬になれば、雪と氷に厚く閉ざされてしまいます。
その長い冬を越えられるだけの飼料を確保するのは、並大抵ではなかったでしょう。
冬を越せるかどうか、日々不安が募っていったことでしょう。
ヨーロッパ人がカラーリット・ヌナート(グリーンランド)から姿を消してから、500年余が経ちました。
現在は、当時とは生活環境においても交通環境においても、格段に向上しています。
それにもかかわらず、ほんの一時の旅行者であるにもかかわらず、不安は容赦なく押し寄せてきます。
カシアスークから対岸のナルサルサークへ渡る船が、無くなったらどうしようかと。
カラーリット・ヌナート(グリーンランド)からアイスランドへ戻る飛行機が、無くなったらどうしようかと。
< つづく >
東へ進むモンゴロイド・西へ進むコーカソイド その1
〈 大陸と大陸の裂け目 〉メルボルン紀行 その11
武器も基地も無い平和 スヴァールバル諸島とオーランド諸島 その16
〈 レンタカーによるタスマニア島南北縦断の旅 〉タスマニア紀行 その八
前回の問題 解答
筑波山・女体山の標高が、筑波山・男体山の標高より高いです。
今日の問題
ナルサルサークの人口が約300人に対して、カシアスークの人口は何人でしょう。
A 約15人
B 約150人
C 約1500人
D 約15000人
E 約150000人
夢を実現する学習塾 開 進 学 園
ホームページ