喜多方事件(福島事件)

 1882年11月28日、喜多方(福島県)で
「事件」は起きました。

 福島県令・三島通庸は、会津から山形県
・新潟県・栃木県へ到る道路建設に住民を
動員しようとします。

 午前五時 工事現場に集合
 実働時間 十時間
 午後六時 工事現場から退去

 自宅から工事現場までは、10~20km。
 用具は各自持参。

 各月ごとに一日とはいえ、このような
苦役は堪えらるものではありません。
 工事に参加できないと表明した家は、
家財を取り上げられ、競売に賦されてい
きます。
 思いあまった住民五千名余は、『不正
工事の施工を中止すべき開申書』を提出。

 ところが、警察は指導者達を逮捕。
 そこで、住民達は喜多方警察署へ拘留
された指導者達の見舞いに集まります。

 その際、住民に紛れ込んだ何者かが警
察署へ投石。
 それを機に、参加者は一斉に検挙され
ます。付近にいた通行者も含めて。
 住民達は、棒の一本も持っていません
でした。
「警察署を襲撃する」など、まったく
考えていませんでした。

 警察は、住民達が集まる時を狙ってい
たのです。
 若松に監獄を新築した直後というのも、
偶然の一致とは思えません。

 事件は、住民達が起こしたのではなく、
福島県令・三島通庸を頂点とする、行政・
警察などが一体となって引き起こしたも
のです。
 福島県内で広がる自由民権運動を壊滅
させるために。
 

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      前回の問題 解答
 『学問のすすめ 第二編』で学問の
目的は、「自己の知識や見聞の範囲を広
くして、それによって物事の道理を正し
く判断する力を養い、人間たる者の使命
を自覚する」と言っています。

 

        今日の問題 
 『不正工事の施工を中止すべき開申書』
で、道路工事をどのように記しているで
しょう。

 

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