カテゴリー別アーカイブ: 和歌を詠む

八ッ場 水流れる川

  アムステルダムやロッテルダム(オランダ)のように、ダムは、本来、町、村、地域に住む人々を水害から守りながら、その地で住み続けるためのものでした。
  人々を追い出し、ふるさとを水没させては、ダムとは言えません。
   
  どうか吾妻川も、永遠に水流れる川であり続けますように。
  八ッ場が、ダムの名称としてではなく、山から流れ落ちる一筋の沢の名称として、留められますように。

     水流れ 血潮流れて 川は生き 人も生く
      水止まり 血潮止まれば 川は亡く 人も亡し

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香る代に 三月

 開進学園叢書 『香る代に』 から、三
月を詠んだ三首を紹介します。

 あう毎に木の芽萌えいづる會津野に
  いともかそけき春は来にけり

 やよいにて桃の花さすこの部屋は
  幼き日々の思い出に満つ

 幼な子の寝息のごとく安らけく
  きよく生きんとむねにちかひし

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梅 香る

 塾舎の玄関を一歩入ると、梅の香りに包まれます。
 梅の別名は、匂草(においぐさ)、あるいは香散見草(かざみぐさ)。

  

 梅の香りは、古来たくさん詠まれてきました。
 奈良時代中頃、中臣清麻呂の歌です。
 
   梅の花香をかぐはしみ遠けども心もしのに君をしぞ思ふ
                    『万葉集 第4500首』 

  

 梅は、花が咲く前、蕾のころから香るようです。
 そこから生まれた格言。
    梅は蕾より香あり
 塾生もそれぞれに、大成する前から片鱗を示しています。

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土・敷き布団 雪・掛け布団

 三月に入ったとはいえ、暖房から抜け出せませ
ん。
 植物達は、寒気にさらされ続けているというの
に。
  

 ネギ君は、元気です。
 気温に比べ、地温はあまり下がりません。
 縄文人は、地面を掘り下げ、縦穴式住居で寒気
から身を守りました。

  

 ダイコン君も、元気です。
 植物達は、身を凍らせまいと、細胞内のデンプ
ンを糖に変えます。
 その結果、甘くなります。

   草も木も ひたすら身を伏せ 春を待つ
    土敷き布団に 雪掛け布団

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香る代に 二月

 和歌とともに人生を歩んできた二瓶カヨ子が残した八百三十八首のうち、三百六十七首を歌集に収めます。
 香代という雅号に因み、『香る代に』と題して。
   香る代に 二月
  橇ひきて村人のゆく一筋の雪道にさす陽の春めきぬ
  香る世に 二月
  荒れはてる園にも神の命もて紅く燃えいつ梅のさやけく
  香る世に 二月
  今日の日も新たに生らせ給へよと陽にいのりたり朝のしじまに
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