戦争と死刑制度への疑問 志賀 直哉

 世界では、ポルトガルやメキシコで、革命が起きます。
 日本では、大逆事件が起き、韓国を併合します。
 同じ1910年 、『白樺』 が創刊されます。
 第一次世界大戦の惨禍が拡大し、反日運動も広がる中、国内では米騒動や普選運動が燃え上がります。

 そのような社会状況に、『白樺』 は、戦争や死刑制度への疑問を訴え続けます。
 武者小路実篤は、『又戦争か』『八百人の死刑』・・・を発表。
 長與善郎が 『誰でも知ってゐる』を発表すると、『白樺』は発売禁止に。
 志賀直哉も『挿話』『断片』『十一月三日午後の事』『或る男 其姉の死』を、次々と発表します。 
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  『断片』から  志賀直哉 著 1919年
 どうしてかう心が沈むのだらう。
 張りもはずみもない・・・
 尤も昨日活動写真を見てゐて、第三師団兵の出征の実写で涙が出て来た。
 一人々々の不安な恐怖が思ひ浮んだからだ。
 此中にはもう死んだ人間も沢山あるのだ。
 さう思ふと、それが現在目の前で動いて居るだけ妙に感じが強かつた。
 死刑を一番重い刑罰としながら、戦争での死を名誉の戦死といふ。
 義勇兵だけを出すならいいが、今の制度で、行きたくない人間を強制的に徴収し、そして死んだ時、家人に名誉と思へといふ。
 それが人間に出来る位なら、死刑は一番怖ろしい刑罰にはなり得ない。
  『志賀直哉全集 第三巻』 岩波書店
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  志賀直哉 1971年10月21日逝去 享年 八十八
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 写真 『日本の文学 第21巻 第22巻 』
     中央公論社

 詳しくは、『月刊 学びあう輪 1910年代と白樺派』を、お読み下さい。
      


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 カワウソタケは、サクラの木に発生します。

 
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 「晩秋には珍しく南風が吹いて、妙に頭は重く、肌はじめじめと気持ちの悪い日だった。」を、書き出しとする志賀直哉の作品は、何でしょう。

 
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