『感染症と文明』

 『感染症と文明』より、一部を抜粋します。
 山本太郎 著 岩波書店 2011年初版発行

 農耕定住社会への本格的移行は、文明を育
む一方で、私達人類に多くの試練をもたらす
ことになった。
 その一つに感染症がある。

 定住は、鉤虫症や回虫症といった寄生虫疾
患を増加させた。

 農耕によって生み出され、貯蔵された余剰
食物は、ネズミなど小動物の格好の餌となっ
た。
 ネズミは、ノミやダニを通して、ある種の
感染症をヒト社会に持ち込んだ。

 野生動物の家畜化は、動物に期限をもつウ
イルス感染症をヒト社会に持ち込んだ。

 長い時間のなかで、比較的良好な健康状態
を維持していた先史人類は、農耕・定住を開
始した結果、変化への適応対処に苦慮するこ
とになり、その苦慮は現在も続いている、と
いうことなのかもしれない。

感染症と文明
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 

 

     前回の問題 解答
 ウトキアグビックには、「野生の根がある
場所」という意味があります。
 

  
      今日の問題 
 キナの樹皮に含まれるキニーネを治療薬と
することで、致死率が劇的に減少した感染症
は、何でしょう。
       

 
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