〈 伊勢神宮のまがたま池 〉伊勢志摩紀行 その五

 豊受大神宮(伊勢神宮の外宮)南側に造られた池は、「まがたま」の形状をしているところから、「まがたま池」と呼ばれています。

 「まがたま」は、日本で古来から大切な装身具とされてきました。
 三種の神器の一つでもあります。

 「まがたま」の数ある由来のうち、代表例は次の二つです。
  ① 胎児の姿
  ② 三日月の形
 どちらも、「 → 乳幼児 → 成人」 「 → 上弦 → 満月」と、生長していく起点を表わしています。

 「まがたま」は、漢字にすると「勾玉」とも「曲玉」とも書きます。
 『日本書紀』では「勾玉」が、『古事記』では「「曲玉」が、使われています。

 『漢字源 藤堂明保他編 学習研究社』には、次のような解説が載っています。
    < 勾 >
  ① (「 型)や( 」型)にまがったかぎ
  ② まがる
  ③ ひっかけてとらえる
  ④ 文にくぎりをつける
    < 曲 >
  ① まがる
  ② まがって入り組んでいるさま
  ③ ひねくれている
  ④ むりにこじつける

 いずれにしても、「勾」からは、「拘引」や「拘留」などの熟語も連想されます。
 「曲」からは、「曲説」や「曲解」などの熟語も連想されます。

 神宮司庁が発行する資料では「勾玉池」と漢字表記されていますが、中には「曲玉池」とする漢字表記もあります。
 様々な意味に惑わされないよう、「勾玉池」や「曲玉池」とともに、「まがたま池」も加えてみてはいかがでしょう。

伊勢 外宮 勾玉池

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      前回の問題 解答
 雲から降ってくる、直径5mm未満の、氷の粒は、霰です。
 

      今日の問題   
 「勾引す」と「曲者」は、何と読むでしょう。
       

 
 
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