死して桜を残す 第七回

 最後に、『花さかじじい』を取り上げ
ます。
 要約すれば、次のようになるでしょう。

 川から拾った桃が、子犬になる。
 大きくなった犬は、殺される。
 埋めた跡に、柳を植える。
 育った柳を切って、臼にする。
 臼を焼いて、灰にする。
 灰を撒くと、枯れ木に花が咲く。

 人の屍体が関わらなくとも、灰があれ
ば花は見事に咲きました。
 「灰で髪を洗うと毛が黒くなる」と言わ
れているので、灰は若返りを促したのか
もしれません。
 それとも、灰には花を咲かせる特別な
物質が含まれているのでしょうか。

 現代の科学は、「アジシジン酸」という
物質がアサガオを開花させることを突き
止めています。
 この先、Aという花にはBという物質が、
Cという花にはDという物質が・・・と、
開花に関わる物質が解明されていくこと
でしょう。

 それでも、桜の開花には、人の死が関
わっているように思えます。
 私達の祖先の大半は、死後の身体を土
の中に埋めてきました。
 大地と一体化した死後の身体は、数限
りない植物を育んでいきます。
 その中には、桜もあったでしょう。
 桜の花は、祖先が再び甦った証です。
 祖先は、死して桜を残したのです。
 

死して桜を残す 第六回

死して桜を残す 第五回

死して桜を残す 第四回

死して桜を残す 第三回

死して桜を残す 第二回

死して桜を残す 第一回

sakura 2018
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
    前回の問題 解答
 井伊直弼は、兄弟中で14番目の男子で
した。

 
      今日の問題 
 桜にとっての一年において、年末に当
たるのは、どの時期でしょう。
    

 
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