坂口安吾は、さらってきた女の言うな
りになり、生計を立てるためより、ただ
ただ殺すためだけに殺人を繰り返す一人
の山賊を、『桜の森の満開の下』で描い
ています。
この山賊はずいぶんむごたらしい男で、
街道へでて情容赦なく着物をはぎ人の命
を断ちましたが、こんな男でも桜の森の
下へくるとやっぱり怖ろしくなって気が
変になりました。
女は、集めた屍体で「首遊び」にふけり
ます。
では、首よりも下の肉体はどうなった
のでしょう。
本文には触れられていませんが、女の
血や肉となっていたかもしれません。
人間は、母乳や水だけで生き抜けませ
ん。
古くは、イモやサカナなどを食べて、
生を得てきました。
他の生き物の命をいただいて、自分の
命を長らえてきました。
祭りなどの行事には、トリやブタなど
の肉もご馳走の中に加わる場合もあった
でしょう。
肉を口にするのが極めて稀だった時代、
肉のおいしさは現代より数段も勝ってい
たに違いありません。
<つづく>
死して桜を残す 第二回
死して桜を残す 第一回
前回の問題 解答
梶井基次郎 著 『桜の樹の下には』です。
今日の問題
次の一文で始まる作品の名前は、何で
しょう。
日本史に女性時代ともいうべき一時期
があった。
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