死して桜を残す 第五回

 ラフカディオ・ハーン作『十六ざくら』
の一節です。

 とうとう、老人の心に、すばらしい考
えが浮かんできた。老人は、枯れている
その木がひょっとしたら助かり得るかも
しれない、一つの方法を、ついに思いつ
いたのである。
 (その日が、正月の十六日だったので
 ある。)
    < 中 略 >
 老人は、その木の下に白い布をひろげ、
幾枚もの敷物をしいた。そして、その敷
物の上に正座し、侍の方式にしたがって、
「はらきり」をおこなった。それで、老人
の魂魄は木の中にのりうつり、即刻、そ
の木に花を咲かせた。

 両親も、祖父母も、祖先が皆、ともに
暮らしてきた桜を、自分の代で枯らして
しまうわけにはいきません。
 しかも、こども達全員に先立たれた老
人にとって、次の世代に残せるものとい
ったら、家の桜の木しかありません。
 そこで、自らの命と引き替えに、桜の
再生を願ったのです。   <つづく>

死して桜を残す 第四回

死して桜を残す 第三回

死して桜を残す 第二回

死して桜を残す 第一回

sakura 2018
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      前回の問題 解答
 鰹節を作るには、カツオブシカビが関
わっています。

 
      今日の問題 
 ラフカディオ・ハーンの日本名は、何
でしょう。
   

 
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