わくわく学習会で、「古事記と生態系」
を、テーマに取り上げたことがあります。
『古事記 上巻・中巻・下巻』(沢田真
幸 訳 講談社)に記載されている植物と
動物を、すべて抜き出しました。
そこに、サトイモはありませんでした。
天皇族の歴史書である『古事記』と
『日本書紀』では、五穀(イネ・ムギ・キ
ビ・アワ・マメ)についての記載はあって
も、イモ(サトイモ)については記載し
ていません。
イモ(サトイモ)について言及してい
るのは、『豊後国 風土記』での地方史
に限られます。
縄文時代後期に日本列島へ移住してき
た弥生系の人々は、イネの田(水田)を急
速に拡大させます。
イネが持つ圧倒的な生産力は、日本各
地で小国家の形成に大きな役割を果たし、
その後天皇族を中心とする集権国家を構
築します。
天皇族は、九月(太陰太陽暦・晩秋)に、
収穫した新穀を、伊勢神宮へ奉納します。
それに合わせて、全国各地の神社で、
神嘗祭が執り行われます。
九世紀中頃(平安時代)になると、八月
(太陰太陽暦・中秋)に、月見の行事を行
うようになります。
国の体制も経済もイネ中心となります
が、人々の郷愁を掻き立てるのはイモ(
サトイモ)だったのでしょうか。
<つづく>
「サトイモ」 中秋の名月 その二
「ススキとイナホ」 中秋の名月 その一
前回の問題 解答
アマゾン川河口の川幅・約320km(諸説
あり)に対し、瀬戸内海の南北の幅は、1
5~55kmほどです。
今日の問題
『古事記』の「天地の初め」の項で、最
初に出てくる動物と植物は、何でしょう。
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