〈 小田原文学館 〉小田原紀行 その二

 小田原城と相模湾との仲程に、小田原文学館があります。
 「最後の志士」とも呼ばれる田中光顕が建てた、スペイン風洋館です。
 そこには、小田原に居を構えた作家が、紹介されています。
 それらの作家のうち五人による代表作品の冒頭は、次の通りです。

   尾崎一雄 『まぼろしの記』
 挿木や根分けはもちろんだが、種子から育てた木でも、十年経つと結構大きくなるものだ。・・・
     日本の文学 52  中央公論社

   川崎長太郎 『伊豆の街道』
 花枝は、十一月から、暮へかけて一篇ずつ三回、竹七の小屋へ、夫の作品を持ちこんでいた。・・・
     日本の文学 80  中央公論社

   北村透谷 『人生に相渉るとは何の謂ぞ』
 繊巧細弱なる文学は端なく紅湖の嫌厭を招きて異しきまでに反動の勢力を現わし来たりぬ。・・・
     日本の文学 77  中央公論社

   佐藤春夫 『女人焚死』
 六月七日。このころともなれば、さすがの寒国信濃の小県、筑摩あたりの山地にも春風が吹きはじめ、久しく雪に埋れていた野山にも草木の芽が萌える。・・・
     日本の文学 31  中央公論社

   谷崎潤一郎 『母を恋うる記』
 空はどんよりと雲っているけれど、月は深い雲の奥に呑まれているけれど、それでもどこからか光が洩れて来るのであろう、外の面は白々と明るくなっているのである。・・・
     日本の文学 23  中央公論社

小田原 文学館 表口

小田原 文学館 裏手

〈 小田原漁港 〉小田原紀行 その一

〈 魚津 米騒動とリンゴ並木 〉本州の海岸線一周 その58

 鳳来峡

〈 大陸と大陸の裂け目 〉メルボルン紀行 その11

 
 
 

      前回の問題 解答
 五月二十一日(太陰太陽暦・太陽暦で720年6月26日)に完成した編年体の歴史書は、『日本書紀』です。
  
 

 
      今日の問題  
 尾崎一雄・川崎長太郎・北村透谷・佐藤春夫・谷崎潤一郎のなかで、出生地が小田原なのは、誰でしょう。
       

 

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