人類が文字を用いて年代記を記し得たのは、数千年前からに過ぎません。
それ以前の様子は、遺物によって断片的に想像するしかありませんでした。
ところが、「年縞」という年代記で、7万年間の推移を統一的に把握できるようになりました。
樹木を伐採すると、年輪が見られます。
成長が速い時期と成長が遅い時期が交互に来るため、何年生育してきたかや一年ごとの様子が分かります。
地層においても、春から秋にかけて有機物を多く含む層は暗い色に、晩秋から冬にかけて鉱物を多く含む層は明るい色になります。
この明暗一対が、一年を表わします。
「平均して0.7mmの層=一年分」を上から順に数えていけば、それぞれの層が何年前であるかが明らかになります。
それぞれの層には、花粉・プランクトンの死骸・火山灰・黄砂・・・が含まれています。
それらを手がかりにして、◯年前の様子が見て取れます。
若狭湾岸にある三方五湖のうち、一番奥になる三方湖沿いに、福井県年縞博物館が建っています。
ここには、三方五湖のうち水月湖で、垂直に掘られたボーリングコア約45m分が、横積みになって陳列されています。
世界に類例を見ない、7万年間に及ぶ年代記です。
前回の問題 解答
中世まで「卑賤な魚」とされていたのに、現代では「最高級の魚」とされている魚は、マグロです。
今日の問題
年縞だけに特化した博物館は、世界中で「福井県年縞博物館」以外に存在するでしょうか。
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