死刑廃止を平和國家のあかしと 川端康成

 川端康成は、不眠に苦しんでいたよう
です。
 起きていると眠くなるのに、寝床に入
ると眼が覚めてしまいます。
 15年以上も不眠が続き、ついには入院
せざるをえなくなります。
 「半死半生」の経験を通して、芥川龍之
介は不眠が原因で自殺したにちがいない
と推察しています。

 ところで、死は個人的な状況が招くば
かりではありません。
 国家的な状況が招く死も、あります。
 その典型が、戦争と死刑です。

 川端康成は、東京裁判の判決公判を傍
聴して、国家的な状況が招く死について
次のように記しています。

 日本が戦争を放棄したのなら死刑も放
棄すべきである。
 それが理の當然ではないか。
 先ず死刑廃止を平和國家のあかしとす
べきである。
 最も人命を輕んじた國は最も人命を尊
ぶ國に變れないであろうか。
     『東京裁判判決の日』新潮社

 川端康成 1972年4月16日 永眠
      享年七十二

kawabata yasunari

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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