風になる 自閉症の僕が生きていく風景

 『 風になる 閉症の僕が生きていく風景 』
   東田 直樹 著
   ビッグイシュー日本

 僕にとっては、みんなが宇宙人のよう
に見えました。
 みんなは、ペラペラとわけのわからな
い言葉を話し、僕を珍しそうに見つめ、
先生の一声で同じ行動をとります。
 僕は、見かけは同じ人なのに、なぜ自
分はみんなと違うのか不思議でした。
 僕は人も、人である自分も嫌いでした。
 そんな僕の気持ちを変えてくれたのが、
抱っこ法と筆談です。

 母があきらめずに毎日練習してくれたお
かげで、三ヶ月後には、母とも筆談がで
きるようになりました。
 僕が、最初に言いたかったのは「ごめ
んなさい」という言葉、そして「ありが
とう」という言葉です。
 母は、僕がつくったお話をとてもほめ
てくれました。
 こうして、詩や物語の創作が僕の日課
になったのです。
 自分が書く文章を人が喜んでくれる、
そのことが、僕にとって何よりの幸せに
なりました。

 僕はいくら練習しても、一文字書いてい
る間に何を書こうとしていたのか、わか
らなくなってしまうのです。
 それで、書くのではなく、指すここで
言葉を表現する方法を母が考えてくれま
した。
 文字盤は、パソコンと同じキーボード
並びのアルファベットを画用紙に書いた
ものです。
 ありのままの自分でいたいと願うのは、
僕のわがままなのかもしれません。
 みんながそんなことを言えば、この社
会は成り立たないでしょう。
 それがわかっているからこそ、ありの
ままの僕を受け入れようとしてくれる相
手の優しさに触れた時、僕は未来に希望
を抱けるのです。
 そして、同じ時間を過ごす幸せに包ま
れるのです。

    starblue 前回の問題 解答 starblue
 リットルは、漢字一字で「立」とも表します。

    starpink 今日の問題 starpink
 東田直樹さんは、何が一番の幸せと述
べているでしょうか。

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