〈 松本城天守閣 〉信州紀行 その六

 城の立地は、攻撃性や防御性などと並んで、観望性も重視されます。
 地域の形勢を観望しやすい地点といえば、山塊です。
 それゆえ、初期の城は、山塊の一画で平地を望める地点に設けられました。
 山城です。

 やがて、平地の一画で小高い地形を利用するようになりました。
 平山城です。

 さらに、平地そのものに城を築くようになります。
 平城です。

 ただし、平城で石垣や土塁を築いた程度では、観望性に欠けます。
 そこで、石垣上に高層建築物を建てるようになります。
 天守閣です。

 天守閣の始まりは安土城と言われます。
 織田信長は、「天守」でなく、「天主」と称しています。
 「キリスト教=天主教」から発想して、自身が天下の最高神であることを示す建築物として「天主」を建てたようです。
 観望性は、重視されなかったようです。

 翻って 松本城の天守閣は、建物部分だけで約25m、土台となる石垣も含めれば約29mになります。
 最大で61度もある急勾配の階段を上って天守閣の六階から眺めた観望は、高層建築物が建ち並ぶ現代においても壮観でした。
 高層建築物が無かった 戦国時代末期から江戸時代にかけては、さぞかし圧巻だったことでしょう。

 現存する天守十二城のうち、松本城は唯一の平城です。
信州 松本城

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      前回の問題 解答
 初春は、太陰太陽暦で一月に当たります。
 
 

      今日の問題  
 現存する天守十二城のうち、五重六階の天守閣としては、どの城が最古でしょう。
       

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