火野葦平は、『麦と兵隊』『土と兵隊』
『花と兵隊』などで、戦争の実態を詳しく
描いています。
その中には、中国人の捕虜を次々と虐
殺するシーンも登場します。
自分の生命も、相手の生命も、ともに
かけがいのない尊い存在であるとの思い
を込めながら。
生命 生命 生命 生命
ただ、その砲弾が、私の頭上に直下して
来ないという一つの偶然のみが、私に生
命を与えている。
貴重な生命がこんなにも無造作に傷つ
けられるということに対してはげしい憤
怒の感情に捕らわれた。
一つの生命をここまで育てるには筆紙
に尽くされぬ尊い努力が惜しみなく払わ
れている。
ここまで育てられたこの生命は、また
なすべき貴重な将来を持たされている。
『麦と兵隊』
火野葦平 1960年1月24日 永眠
享年 五十二

前回の問題 解答![]()
宝船には、次のような短歌が添えられ
ていました。
なかきよのとおのねふりのみなめさめ
なみのりふねのおとのよきかな
今日の問題
『麦と兵隊』の最後は、どのようなシ
ーンでしょう。
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