この戦争が日本の国内だったら 石川達三

 石川達三は、ブラジルへの移民に同行
した体験を基にした『蒼茫』で、第一回
芥川賞を受けた後、中央公論社の特派員
として、中国・北京南部地域に従軍取材
します。
 1937年12月から1938年1月にかけて。
 そして、南京戦に加わります。

 南京市として失われた富が幾十億ある
だろうか。
 僕は戦争の勝敗は別としても、この戦争
が日本の国内でなかったことを心から
有難いと思うな。
 国富は失われ良民は衣食にも苦しみ
女たちは散々な眼にあって、これが
もし日本の国内だったとしたら君たち
どう思う?

 中国戦線の実情を赤裸々に記した『生
きている兵隊』を掲載した『中央公論』は
即日発売禁止。
 石川達三他編集者や印刷者は、新聞紙
条例違反で起訴されます。
 さらに、終戦直前まで特高警察の取り
調べが執拗に続きました。

 石川達三 1985年1月31日 永眠
        享年 七十九

ishikawa tatsuzou

 
 
 

 

 

 

 

 

 

 
 

 

 
 

 

 
 

 

 
 
 

 

      前回の問題 解答
 2017年度に新設されるのは、木更津高
校の理数科です。
  

 

 

        今日の問題 
 石川達三は、『生きている兵隊』執筆の
ねらいを1948年の序文でどのように述べ
ているでしょう。
  

 

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