『歌集 小さな抵抗』

 平時において、「人を殺すこと」は悪行と見なさ
れます。
 戦時においては、「人を殺さないこと」が悪行と
見なされます。

 この「平時における悪行観」を払拭し、「戦い抜
く=殺し抜く」肝を据わらせるために実施された
のが、入隊して間もない新兵に対する突殺演習で
した。

   「捕虜殺すは天皇の命令」の大音声
    眼するどき教官は立つ

 48名いた新兵のうち唯一人命令を拒否した兵士
は、「赤付箋付きの兵隊」として、徹底的な差別と
リンチを受け続けます。

   生きのびよ獣にならず生きて帰れ
    この酷きことを言い伝うべく

 中国戦線を転戦中、反戦の想いを密かに1100余
首の短歌に認めながら、戦死や私刑死の瀬戸際を
潜り抜け、終戦から七ヶ月後の3月21日に復員し
たのが、渡部良三さんです。

   祈れども踏むべき道は唯ひとつ
    殺さぬことと心決めたり
      『歌集 小さな抵抗』
        渡部良三 著 シャローム図書

小さな抵抗
 
       前回の問題 解答
 日本在来馬一頭に積む荷重の単位「駄」は、約
113kgに相当します。
 

 
        今日の問題 
 渡部良三さんの次の歌の○○に入る語句は、何
でしょう。
   縛らるる捕虜も殺せぬ意気地なし
    ○○なりとつばをあびさる
     

 
    夢を実現する学習塾  開 進 学 園
        ホームページ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です