ヘルシンキを出航した翌朝の午前四時、
船はオーランド諸島に立ち寄ります。
ただし正式な経由地ではないため、乗
客の乗り降りはありません。乗用車が一
台下船しただけです。
広い甲板から島の様子をじっと注視し
ていたのは、カメラマンと私の二人のみ。
大勢の乗客は、深い眠りの渦中だった
でしょう。真っ暗闇に包まれて、島の様
子は見えませんでしたし。
しかし、オーランド諸島は、地球上で
極めて重要な島です。
オーランド諸島は、フィンランドとス
ウェーデンの間にあり、バルト海とボス
ニア湾の接点にあたり、周辺諸国による
係争の地でした。
要塞が築かれては破戒される歴史が続
きました。
1856年、「オーランド諸島に関する条約」
が締結されます。
オーランド諸島は、武装せず、いかな
る軍事施設も設けないことが、国際的に
取り決められたのです。
それから今日まで、オーランド諸島は
兵士も、武器も、基地もない、平和を保
ち続けています。
前回の問題 解答
宮本武蔵は、亡くなる(6月13日)直前
に記した『独行動』の第十三条に、「身
ひとつに美食をこのまず」と書いていま
す。
今日の問題
オーランド諸島は、「非武装・中立」を何
年間に渡って続けているでしょう。
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