三年目のモモ一顆

 モモの苗木を家庭菜園の一隅に植えてから、三年が経ちました。
 その苗木が、小さな実を結びました。

 それを見つけてからというもの、枝からいつ落ちるかと、ハラハラドキドキの日々が続きます。
 特別の補強もせず、ただただ心配しただけですが、雨の日も、風の日も、何とか持ち耐えました。

 そして小さいながら、短径5cm・長径6cmの実へと育ちました。

 古来から、モモには様々な威力が秘められていると、伝承されています。
 例えば『古事記』には、次のような話が書かれています。

 イザナミノ命(亡妻)は、黄泉の国まで訪ねてきたイザナキノ命(夫)に、醜く化した姿を見られて逆襲します。
 イザナキノ命(夫)は、あの手この手を用い、何とか黄泉の国から現世へ抜ける坂まで辿り着きます。
 その坂に生えていたのが、モモの木でした。
 イザナキノ命(夫)は、モモの実をもぎ取り、黄泉の国の追手めがけて投げつけます。
 すると、黄泉の国の追手達は、蜘蛛の子を散らすように、退散していきました。
 危機を脱したイザナキノ命(夫)は、「現世で苦しんでいる際には、いつでもお助け下さい」と願いながら、モモの木に「意富加牟豆美命」と名付けました。

モモの実 

      梅雨入りと栗花落

 
 
 
      前回の問題 解答
 第二首の「三年」は、「みとせ」と読ませています。
 

      今日の問題 
 「意富加牟豆美命」は、何と読むでしょう。
      

 
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