映画　神々の山嶺　劔岳・点の記

　日本映画史上に燦然と輝く名作が
誕生しました。
　『エヴェレスト　神々の山嶺』

　自然の主役は、ヒマラヤの山々。
　人間の主役は、登山家。

　ヒマラヤの苛酷な自然、強大な
山容が、大迫力で迫ってきます。
　それ以上に感動したのは、阿部寛
（羽生丈二・役）の名演技。

　2009年に公開された『劔岳
点の記』では、香川照之（宇治
長次郎・役）が、すばらしい演技を
繰り広げました。

　香川照之は、口は動いても、声に
ならない役。
　阿部寛は、口を開かなくとも、
大音声が響き渡る役。
　対称的な両者でも、眼差しは
そっくりです。
　かたやの眼差しは劔岳を、
かたやの眼差しはエヴェレストを、
睨み続けて放しません。

　圧巻は、阿部寛の凍死した場面。
　極寒の中、身じろぎもせず、
まばたきもせず、凍死した死体を
長時間演じきっていました。

　エヴェレストに初登頂したかも
しれないマロリーの凍死体が、
山頂付近で発見されたのは、50年後。
　阿部寛の凍死体も、数十年に渡り
その姿を保ち続けるのではないかと
思わせるほどでした。