「正座」には、明らかに負の側面があります。
しかしながら、歴史的・政治的・思想的背景を取り除けば、坐位として別の側面が見えてきます。
床に坐って神に祈る場面を、思い起こして下さい。
「楽坐」や「趺坐(ふざ)」や「胡座」や「建膝坐」を、選ぶでしょうか。
おそらく「正座」するはずです。
「正座」は、神に祈りを捧げる際の「祈坐」です。
謡曲を謡う際、「正座」をしないと、腹から声が出てきません。
浄瑠璃も、義太夫も、皆「正座」をして、声を出します。
「正座」は、声に関わる「声坐」です。
三月の節句に雛人形を飾り、五月の節句に武者人形を仰ぎ、九月の十五夜に満月を見上げる時、坐れば自然と「正座」になるのでないでしょうか。
「正座」は、心静かに人形や月と向き合う「静坐」でもあります。〈 つづく 〉
< 健康気功教室 >
と き 毎週木曜日 10時30分~12時
ところ 開進学園 二階 広間
連絡先 電話 043-273-6613
メール kokyu@kaishin.jp.net
畳む文化 坐る文化 その8