「騒然の乗船」 アマゾン川 河口横断 25時間の船旅 その4

 出港時間が近づき、乗船場へ戻ります。

 乗客は、当初一列に並んでいました。
 改札口を通ると、今度は四列に並び変
えさせられました。

 改札前の一列の順番を、①②③④⑤⑥
⑦⑧⑨⑩⑪⑫・・・・・・とします。

 改札後の四列になった順番です。
   ①⑤⑨⑬・・・・・・
   ②⑥⑩⑭・・・・・・
   ③⑦⑪⑮・・・・・・
   ④⑧⑫⑯・・・・・・

 どうしてこのような並び方をするのかと、
皆怪訝そうでしたが、静かな時が過ぎて行
きました。
 ところが、いざ乗船となるや、事態は急
変します。
 一番左側の列が先に乗船すると、告げら
れたからです。
 「④⑧⑫⑯・・・・・・」の列が、他の三列の乗
客より先に乗船し始めたのです。

 乗船場は、騒然とし、怒号が飛び交いま
す。
 列は乱れに乱れ、我先にと船へ押し寄せ
ます。

 恐ろしい程の揉み合いに巻き込まれなが
ら、タラップを抜け、船上へ達すると、そ
れまでの船へ向かう一方向と違い、それぞ
れが様々な方向へ向かおうとぶつかり合う
ため、渦に飲み込まれた木の葉ように、激
しく揺れるばかりで、動きがとれません。

 とそのとき、むんずと腕を捕まれ、激流
を押しのけて、上の階へ引っ張り上げても
らいました。
 屈強の女性船員でした。
 おかげで、狭いながらも、予約した個室
に無事たどり着けました。

 船上の喧噪も収まったところで船室を出
てみると、ハンモックが立錐の余地なく、
張られていました。
 大変な剣幕で船内へ急いだのは、少しで
も良い場所に、家族などの連れと並んだ一
画に、ハンモックを張りたかったからでし
ょう。

 「ベレンの要塞」 アマゾン川 河口横断
     25時間の船旅 その3


 「ベレンの市場」 アマゾン川 河口横断
     25時間の船旅 その2


 「乗船券」 アマゾン川 河口横断 25時間
     の船旅 その1

アマゾン ハンモック
 

 

 

 

 

 

 

 

 

     前回の問題 解答
 『源氏物語絵巻』で用いられている、
屋根を外した俯瞰法は、「吹抜屋台」と
呼ばれます。

 
      今日の問題 
 ハンモックは、日本語で何と表記され
るでしょう。

 

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