〈 愛のトンネル 〉築紫紀行その10

 太宰府天満宮本殿の北側に、梅園があります。
 その梅園を囲むようにして、茶屋や茶店が建ち並んでいます。
 それらの中でもっとも奥まった北寄りに建っているのが、「お石茶屋」です。

 「お石茶屋」よりさらに北方には、宝満宮とも呼ばれる竈門(かまど)神社が、鎮座しています。
 太宰府天満宮本殿から、「お石茶屋」の前を通って、竈門神社へ至るためには、遮るように宝満山が聳えています。

 宝満山にトンネルを掘れば、太宰府天満宮と竈門神社との行き来は便利になるはずです。
 そこで手を挙げたのが、「筑豊の炭鉱王」でした。
 30mほどのレンガ造りトンネルを造り、寄進したのです。

 当時の「お石茶屋」には、筑前三美人の一人という、評判の看板娘が働いていました。
 「お石さん」と呼ばれていました。
 「お石さん」の住宅は竈門神社の近くにあり、毎日の往復には難儀していました。

 「筑豊の炭鉱王」が寄進した宝満山トンネルは、竈門神社への参拝用を名目にしながら、実質的には「お石さん」の通勤のためではないかとの、憶測が飛び交います。
 「竈満宮参拝隧道」という正式名称より、「お石トンネル」とも、「愛のトンネル」とも、囁かれています。

 なお、「筑豊の炭鉱王」とは、名前は麻生太吉、麻生太郎・元総理大臣の曾祖父に当たります。
太宰府天満宮 愛のトンネル

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     前回の問題 解答
 「核拡散防止条約」によって、核兵器の保有が認められているのは、アメリカ・イギリス・中国・フランス・ロシアです。
         

 
 
     今日の問題  
 「愛のトンネル」が開通した1928年に締結されたパリ条約は、何条約と呼ばれているでしょう。
             

  

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