『高野聖』や『婦系図』を発表する前、
泉鏡花が24歳の時に発表たのが、『海城
発電』です。
中国の海城から発せられた電報文の形
をとっています。
神崎愛三郎は、赤十字社の看護員。
中国側の捕虜になって中国側兵士を看
護した後、日本側に戻って来たところで、
日本側の兵士達から罵声を浴びせかけ
られます。
意気地もなくて、捕虜になって、生命
が惜さに降参して、味方のことはうっち
ゃてな、支那人の介抱をした。
き様は国体のいかむを解さない、非義、
劣等、の怯奴である、国賊である、破廉
恥、無気力の人外である。
神崎愛三郎は、懸命に訴えます。
自分の職務上、病傷兵を救護するには、
敵だの、味方だの、・・・ また、清国だの、
といふ、左様な名称も、区別も無いのです。
日清戦争が終わった翌年、戦時色がま
だ濃く、検閲が厳しい時期、戦禍の中で
人の採るべき道を問う作品です。
泉鏡花 1939年9月7日 死去
享年 六十七
前回の問題 解答
タンパク質は、古代の小麦が28%以上、
現代の小麦が10%含んでいます。、
今日の問題
泉鏡花は、19歳から誰の書生となった
でしょう。
A 大江健三郎
B 大伴家持
C 尾崎一雄
D 尾崎紅葉
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