『胸に手を当てて考えよう』トルストイ 著

 朝鮮半島や中国東北部(満州)における権益を巡
る、日本とロシアの対立は激化するばかりで、19
04年ついに日露戦争が火蓋を切ります。
 日本でも、ロシアでも、学者や宗教者などか
ら、勇ましい戦争論が飛び交います。
 日本ではロシアを、ロシアでは日本を、追及す
る風潮の中、トルストイは訴えます。

 ロシア人が日本人に、彼らの欲しがるものを何
もかも譲ってやることは、破壊と殺戮の停止とい
う疑うべからざる善のみならず、人類を滅亡から
救う唯一の方法へ近づくことになるのに対して、
戦争を継続することは、その勝敗いかんにかかわ
らず、唯一の救済手段から遠ざかるゆえんなので
ある。

 そして、トルストイのもとへ送られてきた、あ
る農夫からの手紙を紹介します。

 わたしは、招集を拒否することができませんで
した。
 でも前もって言っておきますが、私のために日
本人のただ一つの家族も戦死者を出すことはない
でしょう。
 ああほんとうに、今まで一緒に生きてきたも
の、生き甲斐であったものを何もかも棄てて行
くのは、何と恐ろしく、切なく苦しいことでし
ょう。
   『胸に手を当てて考えよう』
     トルストイ 著 北御門二郎 訳
     地の塩書房 

胸に手を当てて考えよう
 
       前回の問題 解答
 1馬力は、「1秒間に約75kgの物を1m移動させ
る力」に、相当します。
 

 
        今日の問題 
 次の○○に入る語句は、何でしょう。

 現在における大きな○○は、今日本人とロシア
人の間で行われている○○でもなく、これから起
こるかも知れない白色人種と黄色人種との○○
でもなく、地雷や爆弾や銃弾で行われる○○で
もなくまさに今、目覚めつつある人類同胞の意
識と、人類を取り囲み、圧迫を加える闇と苦悩
との○○なのである。
  『胸に手を当てて考えよう』
     トルストイ 著 北御門二郎 訳
     地の塩書房 
     

 
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