舛乃山 不屈の力士 幕内から序の口へ陥落しても

 舛乃山は、小学一年生の時の体重が50kg。
 恵まれた体格を生かし、少年相撲の千葉県
大会では、毎年優勝し続けました。

 中学生になると、家計が苦しくなり、両親
は離婚。
 母親に連れられ、郷里のフィリピンへ渡り
ます。
 18人の大所帯の中で、水汲みのアルバイト
で家計を助けます。

 中学校を卒業した後、大相撲に進む決意を
固めます。
 日本への多額の旅費は、入門予定の部屋の
親方から借金して。

 稽古に稽古を重ねた結果、徐々に番付を上
げます。
   序の口から序二段へ
   序二段から三段目へ
   三段目から幕下へ
   幕下から十両へ
   十両から幕内へ
 幕内在位13場所、敢闘賞も受賞しました。

 しかし、ケガに泣かされました。
 ぎっくり腰を、頻発します。
 椎間板ヘルニアにも、なりました。
 稽古中に、巨体の力士の下敷きになる事故
もありました。
 肺が生まれつき小さかったため、相撲が長
引くと、水中で溺れたように、息ができなく
なります。

 これらが繰り返されたため、負け越しが続
き、番付は下がる一方です。
 四場所連続で、休場も経験します。

   幕内から十両へ
   十両から幕下へ
   幕下から三段目へ
   三段目から序二段へ
   序二段から序の口へ 
 大相撲の頂点である幕内から、最下位の序
の口へ下がってしまいます。

 それでも、あきらめませんでした。
 序の口で優勝を果たし、再帰を期します。
 お母さんの苦労に報いるために。
 郷里・フィリピンの大家族のために。

 明日からまた戦いが始まる。
 負けるかもしれない。
 息が上がってしまうかもしれない。
 怪我をするかもしれない。
 不安を数えれば星の数ほどある。
 それでも時は待ってくれない。
 まさに”待ったなし”だ。
 何が起ころうとも、僕は僕らしく、僕の相
撲をとるだけだ。
 思い切りぶつかっていき、前へ前へ突っ走
る。
 それだけだ。
   『運命の土俵』舛ノ山大晴 著 竹書房

 2020年三月場所、三段目西45枚目で、5勝
2敗と健闘しました。

運命の土俵
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 

     前回の問題 解答
 アフガニスタンで、医療活動だけでなく、
井戸堀や水路建設で水不足を解消しようと長
年活動していて、凶弾に倒れた医師は、中村
哲さんです。
  
      今日の問題 
 舛乃山の、改名する前の四股名は、何でし
ょう。
       

 
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