カテゴリー別アーカイブ: 大地の恵み

暮れなずむ その八

 冬至の日にカボチャを食べる習慣も、あります。
 真夏の陽光を浴びて生育したカボチャを食べれば、体内に陽光を採り入れられると、思ったのかもしれません。
 保存が効くとは言え、寒さに弱いカボチャ(南瓜)を、本格的な冬が到来する前に食べ切った方がよいとする考えも、関係しているでしょう。

 アマテラスオオミカミが天の岩戸を開け、陽光が再び天地を照らし出した神話は、冬至の現象が基になっているとも考えられます。

 冬至を前にして、日の入り時刻は日々遅くなっています。
 天文学上で、冬は冬至から春分までを指します。
 冬来たりなば、暮れなずむ春遠からじです。< 完 >

日の入り 富士山

  暮れなずむ その七

  暮れなずむ その六

  暮れなずむ その五

  暮れなずむ その四

  暮れなずむ その三

  暮れなずむ その二

  暮れなずむ その一

  色なき風 その七
 

 

 
      前回の問題 解答
 両総用水が潤している水田約14000haは、千葉県全水田面積の約20%に当たります。
 
 

      今日の問題  
 仲春は、太陰太陽暦で何月に当たるでしょう。
       

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〈 十枝の森 〉房総紀行

 東金市と茂原市とを結ぶ県道138号線と、大網駅と白里海岸とを結ぶ県道83号線が交差する付近に、十枝の森があります。
 九十九里平野に浮かぶ、小島のようです。

 九十九里平野には大きな川が流れていないため、長きに渡り農業用水が不足していました。
 干ばつになると、水争いが頻発しました。

 そのうち、はるか北方を流れる大河・利根川から用水を引こうとの構想が、浮かび上がります。
 ただし、構想を実現させるとなると、国家的な大事業となり、莫大な資金が必要です。

 そこで立ち上がったのが、十枝雄三(地元の村長・県会議員)です。
 十枝雄三は、家屋敷も全財産も投げ打ち、用水建設に邁進します。

十枝の森 小径

 その結果、幹線用水路78km・支線用水路の合計155kmにもなる用水が完成します。
 下総と上総の両国を潤すことから、両総用水と名付けられて。

 十枝雄三の偉業は、広く語り継がれます。
 それとともに、十枝雄三の偉業を偲び、屋敷林を保護・存続させる取り組みが始まります。

 こうして、十枝の森が生まれます。
 秋も深まり、約30種・数百本の広葉樹は、艶やかな衣装に身を包んでいました。

十枝の森 紅葉

〈 商いの町 房総のむら 〉房総紀行

〈 災いよけの網つり 房総のむら 〉房総紀行

〈 鋸山 〉房総紀行

〈 上総金光明四天王護国之寺(上総国分寺) 〉房総紀行

〈 上総法華滅罪之寺(上総国分尼寺) 〉房総紀行

〈 布良海岸と『海の幸』 〉  房総紀行

〈 根本海岸と若山牧水 〉   房総紀行

 

 
      前回の問題 解答
 ロボットアニメの祖とされる『鉄腕アトム』がテレビに登場したのは、60年前の1963年です。
 
 

      今日の問題  
 両総用水が潤している水田約14000haは、千葉県全水田面積の何%に当たるでしょう。
       

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暮れなずむ その七

 日本には、冬至の日に柚子湯へ入る風習があります。

 この日まで消さずに守り続けてきた火種に替えて、新しく焚きつけた火で沸かしたお風呂に入れば、身も心も清められます。
 湯船から立ち込める柚子の香りが、甦る太陽光と合わせて、身体を包んでくれます。

 「桃栗三年、柿八年、柚子は九年でなりさがる」と、伝承されてきました。
 幾年もの風雪に耐えた後に実を付ける柚子にあやかろうという意味も、込められています。

 柚子湯は、衰える一方だった陽射しを増加に転じ、ますます厳しくなる寒さに耐える力をもたらしてくれます。       < つづく >
日の入り 富士山

  暮れなずむ その六

  暮れなずむ その五

  暮れなずむ その四

  暮れなずむ その三

  暮れなずむ その二

  暮れなずむ その一

  色なき風 その七
 

 
      前回の問題 解答
  昆虫の日本三大生息地は、箕面山(大阪府)・貴船山(京都府)・高尾山(東京都)です。
 
 

      今日の問題  
 初春は、太陰太陽暦で何月に当たるでしょう。
       

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高尾山の紅葉

 東京都の西部に位置する高尾山は、豊かな森林に包まれています。
 戦国時代に小田原を拠点として関東一円を支配した後北条氏が、手厚く保護したからです。
 とりわけ八王子城の城主となった北条氏照は、森林を厳しく保護しました。
 「高尾山内の竹林一草たりとも、みだりに伐った者は首を切る」との、お触れを出したほどです。

 後北条氏が滅亡して江戸時代になっても、高尾山の自然保護は続けられました。
 そのおかげで、草木に限らず、野生動物・野鳥・昆虫なども豊かな生態系を保っています。
 とりわけ昆虫は、日本の三大生息地に数えられています。

 さらに、日本百景や国定公園にも指定されています。
高尾山 紅葉

 色鮮やかな錦を纏った高尾山から北西方向を望見すると、丹沢山地の彼方に、白装束に身を包んだ富士山が青空に光芒を放っていました。
高尾山 富士山

太平山の紅葉

出流原の紅葉

 

 
      前回の問題 解答
 『それでも、私は憎まない』のエピローグです。
 〇〇〇〇〇に入る五文字は、「多くのこと」です。
  世界をより良い調和に向かわせるために、あなたには〇〇〇〇〇ができる。
 
 

      今日の問題  
 昆虫の日本三大生息地は、どこでしょう。
       

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広大な農地が消失して住宅・商業地域へ 鷺沼市街化調整区域

 千葉市花見川区幕張本郷一丁目の西隣、習志野市鷺沼東部に位置する広大な農地が消失し、新たな市街地が造成されようとしています。

 長年の間、市街化調整区域として保護されてきた、広大な農地でした。
鷺沼 農地

 市街化調整区域の内、線路寄りで幕張本郷駅に近い一帯が、高層マンション予定地になっています。
 生い茂る雑草の丈は、区域の他に比べ、すでに高いようです。

鷺沼 荒れ地 電車

 わずかではありますが、まだまだ農作業は続けられています。
 整地された跡を見れば、いかに肥沃な土壌かが、分かります。

鷺沼 ビニール覆い 全体

 ビニールの中では、作物が懸命に生長しています。
 この地での最後を、有終の美で飾ろうと。

鷺沼 ビニール掛け 内部

 手入れされなくなって久しい一画には、可憐な花々が自生していました。
 大地の恵みに満ちあふれた、これまでの思い出に浸りながら。

鷺沼 花々

 能登半島からの手採りキノコ

 三年目のモモ一顆

 『牧野万葉植物図鑑』

 

 

      前回の問題 解答
 「舮作崎」は「へなしざき」、「艫作駅」は「へなしえき」です。
 

      今日の問題  
 鷺沼土地区画整理事業の計画面積は、何haでしょう。
       

 
 
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能登半島からの手採りキノコ

 先日、冷蔵と表書きされた発泡スチロールパックが届きました。
 蓋を開け、覆っているシダの葉を取り除くと、キノコがギッシリと詰まっています。
 発送元は能登半島です。

 今夏に能登半島を一周した際、とある食事処に入りました。
 そこで、ご主人と長話になりました。

 店を一時期休業して、海外で和食の反応を探ったこと。
 能登半島に戻ってから、地元の食材を料理の中心に据えたこと。
 中でも、能登半島産のキノコがいかにすばらしいかということ。
 秋になると、毎日のように、キノコを採りに山中を歩き回ること。

 「毎年大量に採れるから送りましょう」
 そう言われても、本当に送って下さるとは思ってもみませんでした。

 今回入っていたのは、主に次の三種だそうです。
  マツミミ(ハツタケ)
  シバタケ(アミタケ)
  ヌルヌル
 最後の「ヌルヌル」は、能登半島でもご主人が住む地域での呼び名で、一般名は不明とのことでした。
 
 天麩羅にしても、お吸い物にしても、湯豆腐にしても、極上の秋の風味でした。
 
手採りタケノコ シダ

手採りタケノコ 

 
 

      前回の問題 解答
 『津軽海峡・雪景色(作詞・阿久悠 作曲・三木たかし 唄・石川さゆり』で、竜飛岬(龍飛崎)は「北のはずれ」と歌われています。
 

      今日の問題  
 能登地方で、「コケ」「コケ採り」とは何のことでしょう。
       

 
 
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三年目のモモ一顆

 モモの苗木を家庭菜園の一隅に植えてから、三年が経ちました。
 その苗木が、小さな実を結びました。

 それを見つけてからというもの、枝からいつ落ちるかと、ハラハラドキドキの日々が続きます。
 特別の補強もせず、ただただ心配しただけですが、雨の日も、風の日も、何とか持ち耐えました。

 そして小さいながら、短径5cm・長径6cmの実へと育ちました。

 古来から、モモには様々な威力が秘められていると、伝承されています。
 例えば『古事記』には、次のような話が書かれています。

 イザナミノ命(亡妻)は、黄泉の国まで訪ねてきたイザナキノ命(夫)に、醜く化した姿を見られて逆襲します。
 イザナキノ命(夫)は、あの手この手を用い、何とか黄泉の国から現世へ抜ける坂まで辿り着きます。
 その坂に生えていたのが、モモの木でした。
 イザナキノ命(夫)は、モモの実をもぎ取り、黄泉の国の追手めがけて投げつけます。
 すると、黄泉の国の追手達は、蜘蛛の子を散らすように、退散していきました。
 危機を脱したイザナキノ命(夫)は、「現世で苦しんでいる際には、いつでもお助け下さい」と願いながら、モモの木に「意富加牟豆美命」と名付けました。

モモの実 

      梅雨入りと栗花落

 
 
 
      前回の問題 解答
 第二首の「三年」は、「みとせ」と読ませています。
 

      今日の問題 
 「意富加牟豆美命」は、何と読むでしょう。
      

 
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