カテゴリー別アーカイブ: 本に囲まれて

〈 五月雨 〉さつき さみだれ さつきばれ その四

 五月一日(太陰太陽暦)、芭蕉は、飯坂(福
島市)に泊まります。

 夜に入て雷鳴雨しきりに降てふせるより上
よりもり、鑿・蚊にせ々られて眠らず。
  『日本古典文学全集 71 おくのほそ道 』
         小学館

 五月に入り、五月雨が一段と激しくなった
ようです。

 五月雨に道いとあしく、身つかれ侍れば、 
よそながらながめやりて過るに、みのわ・ 
笠じまも五月雨の折りにふれたりと、
  笠嶋は いづこさ月の ぬかり道 
           『前掲書』

 仙台を過ぎ、題名『おくのほそ道』の由来
ではないかと推測される、歌枕「おくの細道」
に、「泪も落ちるばかり」となった後も、五月
雨は降り続きます。

 五月雨の空聊はれて、夕月夜かすかに、 
籬が嶋も程ちかし・・・ 
           『前掲書』
               <つづく> 

〈 最大の謎 〉
    さつき さみだれ さつきばれ その三


〈 漂泊の思い 〉
    さつき さみだれ さつきばれ その二


〈 「松尾芭蕉=忍者」説 〉
    さつき さみだれ さつきばれ その一

青葉
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     前回の問題 解答
 黒酢熟成用の壺が立ち並ぶ一帯は、壺畑と
呼ばれます。
    

 
      今日の問題 
 「五月一日(太陰太陽暦)」は、2020年では
何月何日に当たるでしょう。 
        

 
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〈 最大の謎 〉さつき さみだれ さつきばれ その三

 数多ある歌枕の中で、芭蕉にとって一番念
頭にあったのは、松島でしょう。

 松嶋の月先心にかかりて・・・
  此のたび松嶋・象潟の眺供にせむ事をよろ
こび、・・・
  『日本古典文学全集 71 おくのほそ道 』
         小学館

 このように松島の景色に思いを馳せ、旅を
続けたにもかかわらず、松島の章に、芭蕉の
俳句はありません。
 同行した曾良の一句が、あるのみです。

 松島の景色があまりにも見事だったために、
俳句を詠むどころでなかったのでしょうか。
 「ああ松島や 松島や」と、詠んだのでしょ
うか。
 前者はともかく、後者は後生の作り話です。

 いずれにしても、『おくのほそ道』最大の
「見せ場」に、俳句を載せないのは、解せま
せん。
 謎です。         <つづく>

〈 漂泊の思い 〉
    さつき さみだれ さつきばれ その二


〈 「松尾芭蕉=忍者」説 〉
    さつき さみだれ さつきばれ その一

青葉
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
     前回の問題 解答
 上野原遺跡で発掘された早期の土器の文様
は、貝文です。
    

 
      今日の問題 
 『おくのほそ道』で、次の句を詠んだのは
誰でしょう。
  松島や鶴に身をかれほとゝぎす
        

 
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〈 漂泊の思い 〉さつき さみだれ さつきばれ その二

 『おくのほそ道』で連泊した所では、いず
れも地元の俳句愛好者と集い、句会が催され
ました。

 金沢での九連泊も、同様です。
 金沢の城下を探索したわけではありません。

 芭蕉の旅には、各地の俳句愛好者と、ネッ
トワークを築く目的があったようです。
 それ以上に、個人的な熱い思いがありまし
た。

 古人も多く旅に死せるあり。
 予もいづれの年よりか、片雲の風にさそわ
れて、漂泊のおもひやまず、・・・
  『日本古典文学全集 71 おくのほそ道 』
         小学館

 尊敬する西行等のごとく、旅をしながら歌
を詠み、歌を詠みながら旅を続け、旅の中で
生を全うするのを、理想としていたかもしれ
ません。

 芭蕉は、古のころより数多くの歌が詠まれ
た東国の歌枕を訪ねる企画を練り上げます。
 三月(太陰太陽暦)、千住の宿を後にします。
 その後、日光道中から奥州街道へと、歩み
を進めて行きます。      <つづく>

〈 「松尾芭蕉=忍者」説 〉
    さつき さみだれ さつきばれ その一

青葉
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     前回の問題 解答
 ネナナ川は、ユーコン川の支流になります。

 
      今日の問題 
 芭蕉が『おくのほそ道』で、金沢の九連泊
に次ぐ、四連泊したのは、どこでしょう。
   A 仙台
   B 新潟
   C 日光
   D 平泉
   E 松島
        

 
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〈 「松尾芭蕉=忍者」説 〉さつき さみだれ さつきばれ その一

 松尾芭蕉は、『野ざらし紀行』や『鹿島詣』
など、紀行文をたくさん記しています。
 『おくのほそ道』は、他の紀行文と同種で
あるにもかかわらず、特殊な側面があるので
はないかと、憶測されています。
 江戸幕府の密命を受け、諸藩の内情を探る
のが、松尾芭蕉の任務ではなかったかと。

 『おくのほそ道』の旅行中、最大の大藩で
ある前田家の城下町・金沢には、最も長く九
泊しています。
 第二の大藩である伊達家の城下町・仙台に
は、四泊しています。
 仙台城では、上級武士ですら通常ならば通
行できない、大手門から入城しています。

 山形県内には39泊し、山形県内に関わる文
章は1623字です。
 一方、伊達家の領内には12泊にもかかわら
ず、伊達家の領内に関わる文章は2506字にも
なります。
 * 数字の出典 『奥の細道の謎を読む』
          中名生正昭 著 南雲堂

 生地は伊賀市であることから、「松尾芭蕉
=忍者」とも囁かれています。<つづく>

青葉
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     前回の問題 解答
 「大きな鍋」を意味するポルトガル語
Caldeiraに由来する火山学術用語は、
カルデラです。

 
      今日の問題 
 2017年2月22日、伊賀市は何市宣言をした
でしょう。
   A 組み紐市
   B 忍者市
   C 俳句市
   D 芭蕉市
   E バナナ市
   

 
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辛い時こそ がばいばあちゃん

 小学二年生の少年が預けられた祖母宅は、
一見すると貧しい「ボロ屋」でした。
 しかし、中に入ると、素敵な「お屋敷」で
した。
 見方を変えれば、世界は豊かさに満ちあ
ふれていることを気づかせてくれる、がば
いばあちゃんが住んでいたからです。

    少 年
 「うちって、ひょっとしたら貧乏違う?」
   がばいばあちゃん
 「貧乏ごっこしてると思え、苦労は幸せ
になるまでの準備体操」

    少 年
 「ばあちゃん、金あったらええね」
   がばいばあちゃん
 「何を言うと。
  一億円あっても、金魚一匹作れんばい。
  世の中の命は、金からは生まれない。
  金は、紙ばい。
  燃えてしまう。
  だから貯金してても金は減って行くけど、
 心の金持ちは減らんばい」
 
  「人がコケたら遠慮せんと笑え。
    自分がコケたらもっと笑え。
     人はみんな滑稽なもんやから」
 辛い時こそ笑ってみる。
 自分のことを笑えることができれば、そこ
に余裕が生まれて、他人が失敗した時にも、
きっと優しくなれますね。
  『がばいばあちゃん 幸せの教え』
    島田洋七 著 ヴィレッジブックス

がばいばあちゃん 幸せの教え
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 

 

     前回の問題 解答
 松尾芭蕉の次の俳句の「 」に入る語句は、
「嫁が君」です。
  餅花や かざしにさせる 「 」

 

      今日の問題 
 少年が「腹減った」と言った際、がばいばあ
ちゃんは何と返したでしょう。
  「○のせいや」

 
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女子高生の水虫治療

 皮膚糸状菌が足に感染する感染症が、足白
癬(俗称は水虫)です。
 長時間に渡って靴や靴下を履き続けること
によって発症が増加したため、文明病の一種
とも言えます。

 うら若き乙女が、「中年男性が罹るもの」と
思われていたころに感染したら、ショックは
非常に大きかったでしょう。
 現在ならば女性の社会進出はめざましく、
足白癬(俗称は水虫)発症の性差は、少なくな
っていますが。

 今から40年ほど前に高校生だったさくらも
もこさん(『ちびまるこちゃん』の原作者)が
足白癬(俗称は水虫)を発症した際は、大事件
でした。

 こんな事では嫁にも行けない。
 将来、就職する時にも身体検査で水虫持ち、
という事がバレて採用試験に落ちるかもしれ
ない。
 私の人生は水虫で台なしだ。
      『もものかんづめ』
        さくらももこ 著 集英社

 発症してから一年半、涙ぐましい足白癬
(俗称は水虫)との闘いが繰り広げられます。

 ありとあらゆる市販の水虫治療薬を試す
 漂白剤に足を浸ける
 軽石で擦る
 白熱灯で焼く
   ・・・

 野口英世並みの熱意で研究を行い、一日の
うちの七十パーセント以上の時間を水虫に費
やした。
 こうなると、苦悩だか生きがいだかわから
なくなってくる。
 とにかく生活の基盤が「水虫」なのだ。

 切開と移植手術をせざるえないと覚悟を決
めつつある時、読んでいた本の中に、画期的
な治療法を発見します。

 ストッキングにお茶がらを入れ(あまり出
がらしでないものの方が良く効く気がする)
それを患部に押しつけて巻き、一晩眠るだけ
である。
 それを一週間くらい続ければアラ不思議。
 治るんだから。

もものかんづめ
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     前回の問題 解答
 4月23日は、『ドン・キホーテ』などの作
品を残して亡くなった作家・セルバンテスを
記念して、「世界・本の日」になっています。

  
      今日の問題 
 1990年レコード大賞受賞曲『おどるポン
ポコリン』の、作詞家は誰でしょう。
          

 
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やさしさ貯金

 柴田トヨさんは、裕福な米穀商に、一人娘
として生まれました。
 ほどなくして家は傾き、苦しい少女時代を
送ります。
 二十歳で結婚するも、すぐに別れが来ます。

 三十歳を過ぎて再婚。
 一人息子を授かり、平穏な日々を得ます。

 高齢になって腰を痛め、趣味として続けて
きた日本舞踊を踊れなくなります。
 その時、長男から勧められたのが、詩作で
した。
 九十歳を過ぎていました。

 詩を書いては書き直し、一つの作品を仕上
げるのに、一週間以上かかりました。
 やがて、書きためた詩をまとめて、詩集
『くじけないで』が刊行されます。
 九十九歳の時でした。

   貯金
 私ね 人から
 やさしさを貰ったら
 心に貯金しておくの

 さびしくなった時は
 それを引き出して
 元気になる

 あなたも 今から
 積んでおきなさい
 年金より
 いいわよ
  『くじけないで』柴田トヨ 著 飛鳥新社

くじけないで
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     前回の問題 解答
 今から14万年前ごろの氷河期、バイソンは
ユーラシア大陸から北アメリカ大陸へ渡って
行きました。
  
      今日の問題 
 「人生、辛くて悲しいことばかりではない」
ということを、柴田トヨさんは何をして会得
したのでしょう。
  A 映画を見る 
  B 詩を書く
  C 読書をする
  D 日本舞踊を踊る
         

 
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